詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

2022-09-25から1日間の記事一覧

■高野斗志美先生のこと

■先日、北海道文学館より館報に載せる「心に残る一冊の本」という短い原稿の依頼を戴き、高野斗志美先生が編纂した『新潮日本文学アルバム「安部公房」』(新潮社 1994年)を紹介させて戴きました。新潮日本文学アルバムの編纂は、日本で一流の文芸評論家に…

中尾敏康さんの詩集『暗夜巡礼』(土曜美術社出版販売)

■詩誌「晨」、「薇」でいつも作品を拝読させて戴いております、中尾敏康さんの詩集『暗夜巡礼』(土曜美術社出版販売)を拝読させて戴きました。ご恵贈賜り、心より感謝申し上げます。 例えば「おれは女の麦粒腫に/かぎりなく薄い銀の膜を/鍍金のように被…

■詩誌「ファントム」6号(発行 為平澪氏 「ファントム」編集室)

■詩誌「ファントム」6号(発行 為平澪氏 「ファントム」編集室)を拝読させて戴きました。詩人の息吹が感じられるような、一篇一篇の存在感。詩が大切に収められている、詩誌の理想形にて、目標にしたいと私がいつも考えている素晴らしい詩誌です。毎号、貴…

■橋場仁奈さんの新詩集『あーる/、は駆ける』と『血はねむり血はけむり』(いずれも荊冠舎)

■橋場仁奈さんの新詩集『あーる/、は駆ける』と『血はねむり血はけむり』(いずれも荊冠舎)の二冊をご恵贈戴きました。誠にありがとうございます。詩誌「まどえふ」が終刊になり、残念に感じておりましたが、「まどえふ」のメンバーであった3人の詩人の皆…

■渡ひろこさんの詩集『柔らかい檻』(竹林館)

■渡ひろこさんの詩集『柔らかい檻』(竹林館)を拝読させて戴いております。ご恵贈賜り、心より感謝申し上げます。「黄泉の国とは煙で繫がっているのよ」という一行が印象的な詩篇「迎え火」。お盆に故人が家に戻ってくるとき「家はここですよ」と目印として…

■三宅鞠詠さんの詩集『夢*とりかへばや』

■三宅鞠詠さんの詩集『夢*とりかへばや』を拝読させて戴きました。ご恵贈賜り、誠にありがとうございます。とても謎深い魅力的な詩集で、ミステリ小説のように何度も惹き込まれたのですが、読者として謎のままにしておきたい深みに何度も足をとられ、そこが…

■土橋芳美さんの新詩集『ウクライナ青年との対話』(サッポロ堂書店 編集・長屋のり子 表紙 カット・坂東満喜子)

■土橋芳美さんの新詩集『ウクライナ青年との対話』(サッポロ堂書店 編集・長屋のり子 表紙 カット・坂東満喜子)を拝読させて戴きました。今、読まれるべき詩集。長い一篇の対話形式、長編詩の一冊。ランボーの初期詩篇「谷間に眠る男 Le Dormeur du Val」…

■高野尭さんの詩集『マルコロード』(思潮社)

■高野尭さんの詩集『マルコロード』(思潮社)はタイトルも詩のようで、聴いたことのあるようでいて見たことのない語の組み合わせの化学反応。新しい語の創出。「ひと聲の葛藤」「無言の界隈」「ハクビシンの悲鳴」などを名づけられないものと名づけられる詩…

■「ざいん」26号(編集 井村敦氏 発行 浅野清氏 未明舎)

■「ざいん」26号(編集 井村敦氏 発行 浅野清氏 未明舎)を拝受、詩人・歌人・俳人でもある多彩な越野誠(小篠真琴)さんが、ついに小説デビュー。巻頭に掲載の小説「茶わん蒸しとミルクティ」は、困難な時代を生きる若者の暮らしや文化を描き、「母の作る」…

■「木偶」121号(『木偶』編集室 編集・発行 田中健太郎氏)

■「木偶」121号(『木偶』編集室 編集・発行 田中健太郎氏)を拝受、野寄勉氏の評論「井上光晴の小説『ガダルカナル戦詩集』-本物を読めよ」をとても嬉しく拝読致しました。誠にありがとうございます。「これといったストーリーのない」「主人公は誰でもな…