詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

「吉増剛造、〈詩〉、〈語り〉、〈朗唱〉の夕べ」が行われました。

■また怒涛のように時は過ぎて、もう4日も5日も経ってしまったことが
信じられずにいるのですが、7月8日(日)、16:30より、
北見市北1条西2丁目(北見のポール・スミス向かい)喫茶コバルトにて、
吉増剛造、〈詩〉、〈語り〉、〈朗唱〉の夕べ」が行われました。
多くのゲストの方々が参加され、店内会場満員の盛会となりました。
*

旭川フラジャイルの柴田と木暮純さんは、長屋のり子さん、木田澄子さんを
JR旭川駅へ11時25分お迎え、奇跡的な晴天の中、楽しいお話をしつつ
高速で層雲峡まで行き、北見に着いたのは15時くらいだったと思います。
セキレイが木の先に留まる石北峠で長屋さんが「峠」詩作品を思い出され、
誰の作品だったか…真壁仁でした。「峠は決定をしいるところだ。
 峠には訣別のためのあかるい憂愁がながれている。」
本会の主催者、金石稔さんについにお会いすることができ、感激で胸いっぱい…
*

駅前アーケード街、魅惑的な入り口、青い看板の会場、
喫茶コバルトは少し暗い階段を上がるとそこにあって、
あっという間にお客さんでいっぱいになり、50名近くの満席。
誠に恐縮ながら柴田が司会の大役を仰せつかり、緊張しつつ16時30分、それでは時間となりましたので…
金石稔さんにご用意を戴いた式次第を見つつ、たぶん予定通りにはいかないな、
ハプニングを期待しつつ、吉増先生をご紹介、
*

■本会の内容、密度が濃すぎでここではまったく書ききれず、
あの場に居た衝撃、いまだ醒めやらず、どうやって報告すればいいか悩んでおりました、
会場で司会やスタッフ的なことをやらせて戴いておりましたので、空気をつかみきれていないかもしれませんが、
すべてが眩しく、印象深く刻まれておりますこと、思いつく限り次に必死に書かせて戴きます。

・同日朝にNHKEテレで放送された、“こころの時代~宗教・人生~「詩の傍(そば)で」”のこと、
 とても優秀なディレクターによる、完成度の高い番組!観た方、録音した方多数!
・テレビでもお話をされた、原民喜のこと「しゅっぽっ」「しゅぽっつ」という…宇宙が抜けるような…音を聴いた…
 この言葉をひらがなで表現されたこと。
・金石稔からのご挨拶。今日、会場に来られている詩人、帷子耀さんのご紹介。
 本日、女満別空港で劇的なご再会。
 伝説の天才詩人帷子耀さんがついに今年、40年ぶり詩集を刊行される!その経緯について
 (帷子さんは、40年ぶりに詩の世界に戻っても、どんどん高齢化して、あの当時知っていた人たちが
  まだがんばっている、俺は浦島太郎にもなれない、と仰っていたこと。)
吉増剛造先生、金石稔さん、帷子耀さんが3人並んでお話をされたこと。その、歴史的瞬間!!
・世界中が最も熱かった1969年という時代について
・吉増先生が、昔金石稔さんからもらったという「地名アイヌ語小辞典(知里真志保)について
・吉増先生が、だけど金石は僕より岡田隆彦のほうが好きだったんだ、と笑いながら昔話
鈴木順三郎さんのご紹介、鈴木順三郎さんから80年代に活発に行われた「北の朗誦」のお話。
 そして、道東各地から参上された、吉増先生に会いにこられた錚々たる方々が次々とご挨拶をされて、
・『火ノ刺繍』について、ある意味読者を拒絶するような、編集者や出版業界との戦い、
 ルビを振ったり、割注をしたり、編集手法を駆使した書き方から、
 若い編集者(吉原氏)とデザイナー(井原氏)のたっての意向で、読める本に仕上げたものであること。
・『火ノ刺繍』には、書き言葉と話し言葉の目次、時系列の目次、写真の目次もあること。
・たいへん恐縮ながら旭川の詩誌『青芽』後継の詩誌「フラジャイル」のこと。
 8月発行予定の第3号に、5月15日に北海道立文学館で行われた鼎談が掲載されます。
 吉増先生に「僕も同人のようなものになって…」と仰って戴き、恐縮の限りです、
・帯広の『不羈』『呼』主宰、堀内靖夫さんが来場!
・火の刺繍…銅板へ、インクのパフォーマンス。滴が銅板へ舞い降り、奏でる音が響く。
・フラジャイル木暮純が埴谷雄高のことを質問!
・会場からどうしてもとリクエストがあり、吉増先生が朗読をされたこと。
 原稿を天に掲げ、天地を揺るがすような底からの絶叫のような、それは恐ろしくて、美しいもので、
 眼前間近で吉増先生の朗読を拝見したのは初めての体験にて、時空の流れがすべて止まった、会場の感激。
・皆さんで朗読を行いました。帷子耀さん、長屋のり子さんのリードにより、
 『黄金詩篇』より、「燃える」「朝狂って」を、会場の全員で声を合わせての朗誦!シンフォニーのようでありました。
・「北見に居ることを忘れるねぇ」と吉増先生がしみじみ仰られましたこと。
・『火ノ刺繍』、どんどん売れました。サイン会が行われましたこと。
・吉増先生にお会いできた皆さんのお顔の表情、まだ肌に熱い、会場の熱気です。
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■18:30より、同じくアーケード街すぐ近くの「おもて横丁」にて懇親会。
吉増先生に「いいねぇ、旭川とは違うねぇ、これが北海道なのかねぇ、」と仰って戴いて、
そして、「こうした活動を続けて、『フラジャイル』は『凶区』のようになれ、
最後は喧嘩別れをしてもいいんだ、激しく活動を続けていけば、そのうち
1年間くらい何もできない、間隔が空くときもあるかもしれない、それでもやり続ける」と熱く語って戴いたこと。
堀内さんに「フラジャイル」良い言葉を使った。『不羈』をはじめた頃を思い出すよ、と仰って戴いたこと。
東京から佐波ルイさん、旭川から山内みゆきさんも駆けつけられ、お話できましたこと。忘れられない熱気。
吉増先生をホテルへお送りする際、本会会場の喫茶コバルトは、ポール・スミス店の向かいにあったことが判り、
たった一冊の本を売る銀座の森岡書店にポール・スミスが感激したお話を吉増先生から伺いつつ、
名残惜しい北見の夜が過ぎていくかと思いきや、まだそこに自分が居るかのような感覚もあります。
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本会の様子は録画、録音を行っており、響文社高橋社長に確認をしながら、動画のほうは編集を重ねた上で
公開を行っていく所存であります。現在公開できるお写真にも限りはございますが、ここに報告をさせて戴きます。
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2018-07-14.

 

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