詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

詩誌『饗宴』Vol.82

■詩誌『饗宴』Vol.82をお送り戴き、《饗宴ギャラリー82》として柴田望「音楽」を掲載戴いております。誠に、ありがとうございます。星まゆみさんの詩作品「演奏会」より着想を戴いたものです。
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■「わたしは、人間の社会的価値が、所有する財産の多寡で計られ、芸術や詩よりも効率性がはるかに重んじられる文化の中で生まれました」…既成の常識的価値観を覆すことが詩人に課せられた役目のひとつであると論じる細野豊先生の詩論《米国の物質文明を心底で批判する森の詩人-アンバル・パスト》。岩浅武久さんによる、詩人・ロシア文学者太田正一(1945-2018)の紹介(「具体的なロシアとの、いやロシア人とのかかわりがそのいとぐちにならなくては自分のロシア文学は何の意味もない」という断言に胸打たれました。)、各同人の皆様によるショートショートの腕前が披露されるなど、興味深い内容ばかりです。
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■詩作品「室蘭街道Ⅰ」(瀬戸正昭)  「人々は現在(いま)を作った過去にもうすっかり興味がないのだ/いまの自分に忙しいから 根がすつかりたたれているのだ」「焼け焦げたトーストに塗られたバターのやうに/路上にとけてくずれていく」 存在について、時間について、錯覚と現実について、幻を幻とするのか、現実とするのか、存在者による創作の役割について、深く考えさせられる作品でした。詩誌の一番最後に山内みゆきさんの「本と映像の日々18」が置かれているのも印象的です。読書の素晴らしさを詩誌の巻末に想い出させてくれるから。読書は旅。遠い北見往復夜のドライブ…金石稔さん主催、吉増剛造先生のイベントでお会いできました。大変お疲れ様でした。
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■林檎屋主人日録(抄)41 も楽しく読ませて戴き、4月28日の豊平館朗読会のこと、色々と想い出しました。準備等、本当にお疲れ様でした。大盛会でした。瀬戸さんのおかげです。皆様のおかげです。詩誌『饗宴』ばんざい☆本当にありがとうございました。
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2018-08-30.

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