詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

明けましておめでとうございます。詩誌「エウメニデス」Ⅲ第57号に書かれていた小島きみ子さんの詩作品「(ノヴーリス)へ」

明けましておめでとうございます。本年も、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

ある文学賞の一次選考委員として、関わらせて戴き、全国から寄せられている70冊以上もの詩集と格闘中、真剣勝負のお正月です。締切で多分100冊超えます。
初めて参加させて戴きながら、こうやって市民が必死になって、最終選考委員の先生方にお読み戴く詩集を選びだしていたのか!!と胸熱く、一行一行、一文一文と対峙致しております。

詩の評価とは何か?
例えば、一例ですが、
題材と文体、技術と内容の化学反応が起きているか?
現実との通路、現代の問題に対峙しているか?
前衛であってもなくても、表現方法の冒険、果敢な挑戦が見られるかどうか?
現実や幻想に詩が書かれるのではなく、むしろ書き上げられた詩が、無限の現実や幻想を生みだしているか?
独創的な手法が確立されているか?
作者によって限定されない無数の読み方が、読者に対して拓かれている作品かどうか?
過去の受賞作レベルと比べてどうか?
存在のすべてを賭けて、魂を揺さぶられる作品かどうか?

全国から有名な詩人の方々の作品も寄せられている中、誠に恐縮、僭越ながら不勉強な自分ごときが批評眼を持てるかどうか、一冊一冊読むたびごとに、不安と恐怖の連続であります。(本日元旦、約50冊、拝読させて戴きつつ‥)

賞の性質ということもありますが、自分なりの一つの基準として、

【自分だけの声ではなく、無数の声なき者の声になっているか?響いているか?】

昨年末に発行された詩誌「エウメニデス」Ⅲ第57号に書かれていた小島きみ子さんの詩作品「(ノヴーリス)へ」の物凄い一行を突然思い出し、魂を揺さぶられました。

「(あなた)と僕の内部にはいつも(交響曲)が存在する、」

この凄まじい詩句に励まされ、いっぺんに目の前が晴れた思いであります。誠にありがとうございます。膨大な詩作品に対峙する読み手の一人として、お互いの行間の内部に存在する声に、【交響曲】に、集中して、耳を澄ませます。一篇一篇に、真剣に耳を澄ませます。

奇跡のような、救いの、御指導に、心より御礼申し上げます。

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