詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■詩誌『韻』第27号(グループ韻-2019-10-1.)

■詩誌『韻』第27号(グループ韻-2019-10-1.)を菅原みえ子さんより御恵送戴きました。誠にありがとうございます。金色の「韻」(題字:ふじわらあいさん)の刻印眩しき、私の郷里岩見沢の詩誌。斎藤たえさん、菅原みえ子さんのお二人の詩世界に浸らせて戴きました。
 斉藤たえさんの「月見草」「エンディングノート」、残された時間とどう向き合うか、その時間と自分との距離という問題について考えさせられました。芝居脚本「あゆ子へ」、このような作品をさらりと書けてしまうのが、素晴らしいと思いました。
 菅原みえ子さんの四つの作品「蝶むすび」「米子の訓」「かいやぐら」「はぁはぁひぃふぅ」、独特なリズム、ユーモアもあり、菅原さん独特のたたみかけるような語り口調で神話的な世界。8月24日の小熊秀雄朗読会(旭川市ときわ市民ホール)にて、朗読を拝聴させて戴きました「米子の訓」を文字で読むことのできた喜び(こちらは、現在動画を編集中です。後日閲覧できるように致したいと思っております)。あのときステージから菅原さんが投げた櫛を後で拾ったのが柴田にて、「櫛は決して拾っちゃならぬ/苦と死が捨ててある」のに、後輩詩人として重い主題を拾わせて戴いたことを嬉しく思っております(笑)。「教え」ではなく言いきかせてわからせる「訓」(「言」+「川」。「取っ手のある刃物の象形と口の象形」、「つつしんで言う」の意味)と「流れる水」=川の象形から、一定の道筋を流れるように「人に正しい道へ教え導く」を意味する「訓」)。言葉が人を形成する。「ゆっさゆらゆら」過去から訓が、時の舟に揺られて届く。さわさわと枝葉揺れ、樹木が育つ。「風の子守唄にあやされ/米子は 森になりました」。昨年11月の吉田一穂展で拝聴致しました「かいやぐら」もここで読ませて戴き、そのとき戴いた貴重な資料を読み返しながら、菅原さんが解き明かす海の神様、蜃気楼「かいやぐら」の謎、吉田一穂と「ゆあみのさわ」岩見沢の謎めいた関りについての詩行も嬉しく拝読させて戴きました。

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