詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■宮尾節子さんの新詩集『女に聞け』(響文社)!!

■宮尾節子さんの新詩集『女に聞け』(響文社)を先月「フラジャイル」同人の小篠真琴くんと同時に予約。小誌連絡網にて伝えたところ同人に宮尾さんのファン多く!次々と買います☆^^☆との声が上がっております。
 
 来年GWに北海道(札幌ー小樽ー旭川ー阿寒!!)にて予定されている『女に聞け』御出版記念のイベントのうち、小樽と旭川を私たち「フラジャイル」メンバーにてお手伝いをさせて戴く運びとなり、今からわくわくと準備委員会を編成致しつつ(会場は抑えております!!)、詳細が決まりましたら皆様に御報告をさせて戴き、年内から道内各地にて告知を行わせて戴く所存であります。
 
 待ちに待った詩集を手に取り、不思議と文字よりも先に、一篇一篇の詩の形が羽ばたく。言葉が行となり、詩の形になっていく様を、蝶の群れがさらに大きな蝶となり(「ナチスの/強制収容所のなかの壁はぎっしりの、/蝶の絵だらけだったという。」(「蝶の日」))、声に出されない十万羽の声(「言えないひとの/鶴折るひとの/その数は広がって」(「鶴を」))を見上げて、羽ばたく影を全身に浴びる(「そのうれしさ。ただの余白だなんて/言わせない/ただの言葉だ。なんて/言わせない」(「さあ、白鳥」))。航空軌道を言葉が先行してパイロットにイメージさせる(「わたしが先だった。/きみより、/なんのためだと思う?」(「ことば、舐めるな」)。宇宙を形づくる両極の法則「平和のためには、戦いの物語が/幸せになるためには、不幸せの/物語がもっと、要るのだろうか。」(「ことばを殺せ」)、「21世紀最大の/発見は/うれしいと笑顔になる/のじゃなくて/笑顔をつくるとうれしくなると/わかったことがって。」(「世紀の発見」)、「驚いたことに/短所からではなく/生き物たちはその長所から/身をほろぼす」(「びっち宣言」)、まだいらっしゃっていないと思われる神様によって与えられる課題、千差万別の強みや弱み、自己肯定力が足りないから、他者と比べて憎しみは宿る。
 
 「だって、きょうはクリスマスじゃない」(「戦場のクリスマス」)、止められたケンカのサラリーマン風男性とヤンキー風男性は恐ろしく似ている。他人とは自分の鏡。でもそれは居ることが大前提であり、空席の鶴は身代わりになれない。この本を最後まで読み進めて、せっかくクラウドファウンディングという行為を成功され、多くの人たちによって応援され、出版という行為が行われた大切な本だけれど、焼かなければならない。そのことに気づかなかった私は、平和に安住していた。「パンの代わりになるものなんかない。/そうだ、/命の代わりになるものなんかない。」(「パンの代わりになるものなんかない」)。オノ・ヨーコの『グレープフルーツ・ジュース』以外に、本に「焼きなさい」と言われたことはないし、この詩集にも「焼きなさい」とは書いていないけれど、焼かなければ、読んだことにはならない。そんな想いに揺られるのは「火」だ。さて、どう焼くか。「詩は喜んで、次つぎに、飛び込んだ。/パンを焼く、あなたの火のなかに。」(「パンの代わりになるものなんかない」)。
 
 来春は街の至るところに、この本のチラシやポスターを貼らせて戴き、詩を読む人にも、詩を読まない人にも、一人でも多くの人に考えて戴き、多くの火に焼かれますよう、取り組ませて戴く所存であります。北海道の詩人の皆様、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 
※写真の花は10月27日・キャンプファイヤー本社ビルでの新詩集「女に聞け」リリースパーティへ、フラジャイルから贈らせて戴きました。お花屋さんが配達の証拠に画像を送ってくれたのでした^^

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