詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■2020年3月22日 北海道横超忌のお知らせ

■2020・3・22 北海道横超忌

講師 村瀬学

「風をたずねるものはもういなくなったのか
 ー吉本隆明の発想の根源にある「風」のイメージを探る―」
 
会場 道立文学館講堂(定員90名)
   札幌市中央区中島公園1-4
日時 2020年3月22日(日)
   開場13時30分 講演14時00分~16時30分
参加費 2000円
 
■講師紹介

村瀬学(むらせ まなぶ) 1949年 京都生まれ

著書『初期心的現象の世界』『理解のおくれの本質』
自閉症』『古事記の根源へ』『『君たちはどう生きるか』に異論あり』『いじめ―10歳からの「法の人」への旅立ちー』ほか多数
  
■主催 北海道横超会Ⅱ

 事務局 柴田望
 TEL 090-3396-6685
 Mail tao81@softbank.ne.jp
 
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■先月1月11日(土)、道立文学館地階講堂にて、北海道横超会Ⅱ1月例会を開催。村瀬学『次の時代のための吉本隆明の読み方』(増補 言視舎版)について各自の総括、取りまとめ、感想等が順にレポートされました。貴重な指摘や意見がありました、ということで、順番に発言をしたのですが…
 今回のテキスト106ページで「彼(吉本隆明)はものすごく試行錯誤の人で、修正体で、アメーバみたいに変形し続けてこられた人だと私は思います。そういう試行こそ後世に残そうとしている人であって、わたしが学ぶのはそのすごく柔軟な修正体のほうなんですね。」と吉本隆明を評価されていることが、の本の中で一番印象的でした。色んな仕事に置き換えても、できるだけ早く小さく失敗して改良を重ねていく、失敗に次の成功の種子が詰まっている、そこであらゆる人たちの物事や世界の見方が一変するという経験が膨大に発生します。成功失敗に関係なくそういった変化に対応する姿勢そのものが求められます。安部公房が現代の都市の問題を《変形譚》の手法で書きました。変形し続けることで解決に向かわなければならない問題は普遍的な性質のものも含め、現代でも将来においても次々と発生するわけですから、「次の時代のための読み方」につながるのかと考えておりました。
 高橋秀明さんがお示しになられた四つの段階(政治的、審美的、倫理的、文学的の四段階)、「柔軟な修正体」として読む、それが《文学的段階》=「沈黙」の領域につながること。芹沢 俊介の「人間存在の二重性」で、「Being」と「Doing」の二重性が人間であり、「Being」=「沈黙」=「尊厳」であるというお話、中島さんが指摘された108ページの「「おくれる子」という現象を「普通のこころ」の現象とつなげたい、つなぐ言葉で説明したいという動機が私の中に痛切にあって、こうした吉本さんの読み取りになってゆきました。」の箇所等、次の時代のための読み方のヒントに満ちた録音データの文字お越しを、先ほど柴田が完了、12ページ、1700字ものWordファイルとなってしまいましたが、先ほど高橋秀明さんに送付しました。(ご発言者各自の校正にまわしてから、一体的な発言記録として共有となります!)

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