詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■詩誌「御貴洛」(なんとかなる編集室・2019年度3学期号・2020年1月1日発行)

■詩人・河野俊一さんより、詩誌「御貴洛」Vol.33(なんとかなる編集室・2019年度3学期号・2020年1月1日発行)を御恵送戴きました。誠にありがとうございます。環境に配慮して(※したつもりで…と記載有り)ホチキスの針が使用されておらず、頌価は「222円」と遊び心満載! 詩作品4篇「ごみステーション」「わたしとあなた」「やまとことばで」「比喩」、連載「ふじが丘辞典」18も初めて戴く私にとっては新鮮で、【影響】【営業】【英才】【映像】…詩の関りにおいて、なるほどと勉強させて戴きました。
 冒頭の「ごみステーション」はこのように始まる。「ごみ捨て場のことを/最近は/ごみステーションと言う」。昔はごみステーションではなかったのか。「横文字が素敵な時代になったから」なるほど。そして子どもたちはもう昔のようにかくれんぼでごみ箱に隠れたり、ごみに化けたりなんかしない。ごみはもう友達じゃない。一緒に遊んだりしない。「ステーションは駅だから/今朝私が出したごみは/お客様だ」 なるほど、ごみは旅をするのだ。ごみは海外へ運ばれる。昨年から廃プラスチック問題が深刻になっている。中国が廃プラスチックの受け入れをやめたので巷に廃プラが溢れている。他のアジア諸国でも受け入れしきれない。処分場を建設すべきか、燃料などに再資源化すべきか、様々なごみの処分量が一気に値上がりしている。産業廃棄物においてはマニフェスト代も別に払わなければ収集も処分もできないなど、ごみは高級なお客様になってきた。「捨て場」から「ステーション」へ。ごみの戦後史。延期された東京オリンピックが無事行われたら、また膨大に現れて、各国を旅するのでしょう。

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