詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■「詩と思想」2020年9月号(土曜美術社出版販売)にて、《地域からの発信・旭川》「ある期間に起きたこと」

■昨日発売されました「詩と思想」2020年9月号(土曜美術社出版販売)にて、《地域からの発信・旭川》「ある期間に起きたこと~特殊性と普遍性、旭川歴史市民劇による神話的空間の構築、北海道の詩のイベント報告、いままでとこれから、超現実の現実、変形の運動。~」と題し、北海道、札幌、旭川の詩の活動について、なんと5ページもの紙幅を戴き、旭川の柴田望が報告を書かせて戴いております。大変恐縮な……貴重な機会を賜り、心より感謝申し上げます。
 小熊秀雄没後80年、今野大力没後85年という節目の2020年(令和2年)、2月に上演された旭川歴史市民劇《旭川青春グラフィティ「ザ・ゴールデンエイジ」》プレ公演のこと(来年3月に本公演!)、昨年、山田亮太さんを迎えて旭川で開催された小熊秀雄朗読会、札幌・小樽で行われた支倉隆子さんの詩劇「洪水伝説(稽古篇)」+ポエーマンス、北海道詩人協会の「北の詩祭」、旭川詩人クラブ、東鷹栖安部公房の会の取り組み…そして今年、コロナ禍のファースト・インパクトの世界混迷下で変容を強いられた、詩・文学イベントのあり方を考え、今回特集を組ませて戴きました、詩誌「フラジャイル」第9号についてなど、一気に書かせて戴いております。
 また、私の大学時代の恩師であり、詩誌「フラジャイル」同人・創刊メンバー二宮清隆さんの高校時代の恩師でもあります、文芸評論家・高野斗志美三浦綾子記念文学館初代館長)の言葉を引用させて戴いております。
 戦後、非常事態が常態に、非日常が日常へ変形を強いられていく様をえがき、特異な作品を世界に遺した安部公房文学批評の第一人者、高野斗志美先生の言葉が、今この時代に強く響きます。
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 この新しい現実の現存の中で、わたしたちは、言語の古い規範が、決定的にのりこえられているのを感じるだろう。このグロテスクな虚構世界にちかづいていく時、わたしたちは、まず、目撃をしいられる。それから、まさにその目撃によってひきおこされる戦慄によって撃ちすえられる。そして、その戦慄こそ、《超現実の現実》がいかなるものであるかを、わたしたちに告知するだろう。
  ―高野斗志美井上光晴論』(勁草書房 1972年)

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