■綾子玖哉氏によって再開された阿吽塾の「阿吽通信」No.2、そして記念すべき懐紙シリーズ第一集、小笠原鳥類『『吉岡実全詩集』の動物を見る』(阿吽塾刊)。感動致しつつ拝受致しました。心より感謝申し上げます。「阿吽通信」は散文だけではなく詩篇(たなかあきみつ氏、青砥たづき氏)も掲載されており、A4一枚表裏に高密な言語の宇宙。旭川の詩人、山内みゆきさんによる論考「〈現代詩のシービスケットハイウェイに読み畏れつつ シークレットガーデンに鳥肌が立った ヘプタポットのような言葉の先に未来への希求 詩とは何か〉-毒虫詩論序説 声と声なき声のはざまに」―」、詩は集団化した無意識の悪魔に太刀打ちできるかという問い、興味深く拝読させて戴きました。
ついに刊行された懐紙シリーズ第一集、現代詩書下ろし一詩篇による詩集、17ページの重厚な一詩篇『吉岡実全詩集』の動物を見る』。「過去」の《赤えい》が、「受難」の《昆虫》が、『サフラン摘み』の「動物」の《動物》が、小笠原鳥類氏による吉岡実の詩行との対話によって、詩性を吹き込まれて犇めく。詩論ではなく詩作品で吉岡実を蘇らせるようなもの凄い試み。詩は新たな気づきを与える。一篇の詩の読み方を変える。あまりにも人間以外の動物を見ていない、さらに人間を見ているつもりが見えていない社会に、《動物を見る》と題された詩篇が届けられ、自分は動物を題材にした詩や文を一行でも書けただろうかと猛省致しております。
「阿吽通信」冒頭に、綾子玖哉氏による懐紙シリーズ参加への自他推薦を歓迎する一文、「「こんな詩篇、誰ひとり目もくれず、解ってもくれないだろうな。」といった破天荒なものこそ、わたしたちすべての『希望』にほかならないのだと、あなたの耳もとにささやいておこうと思う。」眩しき、輝かしき詩への希望!!