詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■詩人・渡辺宗子さんの訃報に接し

■詩人・渡辺宗子さんの訃報に接し、信じられない思いです。つい今月初めに「フラジャイル」第10号の巻頭詩稿の校正をやりとりしたばかりです。この号に収録させて戴きました6月26日サッポロアートラボ[サラ]での鼎談「文学における普遍性と特殊性」(高橋純先生、嵩文彦先生、柴橋伴夫先生)、ト・オン・カフェの会場で渡辺宗子さんはお隣の席。質問の時間に真っ先に鋭い発言をされて…隣の柴田の太ももをパシッと叩いたのです。ほら、ぼけっとしてないで、あなたも発言しなさい、と…。
 まだ私が本格的に詩の活動を始める以前、10年程前に道新夕刊の《道内文学》で「弦」を知り、お手紙を送り、文通がはじまりました。2015年2月に旭川中央図書館で東鷹栖安部公房の会『無名詩集』朗読会を行ったとき、宗子さんはなんと札幌からお一人でバスで旭川まで来てくださいました。私の拙い朗読と安部公房詩論を聴いてくださり、東鷹栖支所の安部公房資料展示も御覧戴きました。その後、北海道横超忌、豊平館の朗読会、饗宴の詩話会、小樽の白鳥番屋、北海道詩人協会、吉田一穂朗読会、帷子耀さん阿部嘉昭さん金石稔さんの詩集出版の祝賀会、昨年の支倉隆子さんの詩劇+ポエーマンズ…あらゆる詩のイベントで、笑顔の宗子さんにお会いできるのが嬉しくて、朗読を聴けるのが楽しみで、いつも「弦」を戴き、厳しい姿勢で詩に対峙されるお姿に圧倒されておりました。いつも励ましてくださいました。本当にまったく信じられず、厳しくて優しい宗子さんに認めてもらいたくて、ここまで頑張ってこれました。感謝の気持ちでいっぱいです。俤を感じています。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
・朗読の動画を御紹介致します。
詩劇「洪水伝説(稽古篇)」+ポエーマンズ 渡辺宗子 札幌20190831
渡辺宗子さん「胡桃」《第2回 ぽえむ・ライヴin豊平館
渡辺宗子「椿哀悼 」「第1回 ぽえむ・ライヴin豊平館」20180428
・渡辺宗子さんは長年の功績を讃えられ、(一社)日本詩人クラブの功労会員として顕彰されました。f:id:loureeds:20201223000620j:plain