詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■漂着物学会会報「どんぶらこ」Vol.67(2020年12月号)

■漂着物学会会報「どんぶらこ」Vol.67(2020年12月号)を拝読させて戴きました。【ブックガイド】に昨年6月に発行された若宮明彦先生の詩論集『波打ち際の詩想を歩く』(文化企画アオサギ 2020年6月)が、はやししげお氏によって紹介されています! 「漂着物考・渚の博物誌」から、詩人ならではのビーチコーミング(海岸などに打ち上げられた漂着物を収集の対象にしたり観察したりする行為)案内、「その中でも特に気に入った一節」として、次の文が引用されています。「漂着物にはいろいろなものが見られる。自然物から人工物まで様々である。海から来るものもあれば、陸から来るものもある。このような多様性が、多面的に漂着物を調べることができる間口の広さにもつながるのである。」、海と陸、自然物と人工物、無機質と有機物の境、多様性にも詩想は宿る。科学者と詩を結びつけるものは何か。「地質学の基本はラボワークではなくフィールドワーク」との論考も興味深く拝読させて戴きました。
 会報冒頭に奄美奇岩資料「今里立神」。海の彼方からやってきて幸いをもたらすテルコ神を迎える。海への憧憬と畏敬の念。太古からの神話の説明に、新年の夢を膨らませております。
漂着物学会

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