詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■詩誌『フラジャイル』第 11号を発行しました!!

■詩誌『フラジャイル』第 11号
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日頃より小誌活動への御理解、御協力を賜り心より感謝申し上げます。
おかげ様をもちまして詩誌「フラジャイル」第11号を発行することができました。
詩作品のゲストに中筋智絵さん、遠藤ヒツジさん!!
また、特別な御寄稿を、花崎皋平さん、岡和田晃さん、長屋のり子さん、金石稔さんからも戴き、忘れられない一冊となりました。
幅広い世代が参加致しております各同人による作品も多様な深みを帯び、充実致しております。
既に謹呈分の発送を開始、5月上旬には旭川市内の書店などにも納品されます(利益目的ではありませんので各書店1~2冊の納品、売上は市民団体名口座へ経費補填とさせて戴きます)。活動としては謹呈中心のため、もしご興味お有りの方がいらっしゃいましたら、御連絡戴けましたらお贈りする準備をさせて戴きます。ぜひ多くの方にお読み戴けましたら幸いです。
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詩誌「フラジャイル」第11号 目次 2021年5月
2 森の墓標  中筋智絵
4 続「生きる場の思想と詩」日々 その4 二〇〇七年から
               花崎皋平
31 現代北海道文学研究(一)
  理論的な枠組みの提示、一九六八年前後の検証  岡和田晃
36 加島祥造と私 そのⅡ  長屋のり子
40 今日 あなたの日に  林高辞
42 タフなファイトで  二宮清隆
44 トッピンシャーン  佐波ルイ
46 詩と私  荻野久子
48 本と映像の日々30  山内真名
50 ハルグモを刺す  木内ゆか
52 やまぼうし  福士文浩
54 きょうの気温は、へいきんきおん  小篠真琴
56 ■共作の試み  小篠真琴/鵜野しのぶ
58 なりわい・小啄木鳥の朝  鵜野しのぶ
60 フラジャイル同人近況 ☆ catch up 2021
62 芸術教室・ひとりぼっちの旅  佐々木虎力
64 うそんこ こん ほんとだもん ~おっぱい色の街  菅原未榮
66 退化論  松本莉鼓
68 種  日陰野もやし
70 羽(う)のすまい  冬木美智子
72 騙し騙され味わい深く  川嶋侑希
74 空煎り  金井裕美子
76 壁 (エキストラ)  柴田望
78 ちょっとした!  木暮純
80 チェロの復活  星まゆみ
83 星まゆみ 詩集『ひだまり』  二宮清隆
   ~いとしきものへの限りない思慕を星が降るように
84 パラパラ詩の全貌  金石稔
   ~阿部嘉昭詩集『かけら世の』(2021年3月、響文社刊)
88 村田譲『本日のヘクトパスカル』(竹林館)  柴田望
90 追悼・渡辺宗子さんの聲  柴田望
91 受贈図書御礼
92 感謝  柴田望
92 すべてあらゆる舞台への歓喜(柴田望「感謝」への返詩) 遠藤ヒツジ
94 旭川歴史市民劇に参加して  木暮純
95 短信
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旭川の詩誌「フラジャイル」第11号を発行致します。
 日頃より詩誌「フラジャイル」の活動への御理解を賜り心より感謝申し上げます。
 令和3年4月7日(水)、旭川の詩人、富田正一さん(94歳)が御逝去されました。
 富田正一さんは小熊秀雄と最も親しい詩友であった小池栄寿に師事し、戦後、名寄、旭川の文化振興に貢献され、下村保太郎の後継者として旭川詩人クラブの会長を長年務められました。道内最長の戦後72年間、詩誌「青芽」を発行されました。
 「青芽」の歴史は日本現代詩人会、日本詩人クラブよりも長く、北海道名寄にはじまり旭川大雪山系を中心に北海道内のみならず全国1500人以上の詩人が関り、多くの読者を持ち、一つの詩誌という枠を大きく超えた文化の絆を築きました。
 九州大刀洗飛行場、加世田市万世飛行場で、18歳の富田正一さんは通信兵として、死地へ赴く大勢の仲間(特攻隊員)を見送らなければなりませんでした。敗戦後、「これからは心の自由の時代だ」と詩誌を立ち上げ、19歳から91歳までの72年間、「心の拠り所」を守るために戦われました。71年目に、次の世代へ引き継ごうとお考えになられ、後継誌を創刊しなさいと私たちに託されました。沢山の貴重な御指導をくださいました。
 富田正一さんがいなければ、小誌「フラジャイル」はここに存在致しておりません。
 戦後76年の現代における課題、犯罪に発展するほどのいじめや小中高生の自殺者数は年々増えており、心の失われた痛ましい事件も多く、「心の拠り所」は奪われるものとしてあり、詩や芸術に届く感性や想像力を養う機会は、人類から失われつつあります。
 全力で、あの太陽のような笑顔で、詩人を励まし、導かれた。声なき声、言葉にならない言葉を、表現の自由と平和の場を築き、守ることに情熱を傾け、全力で誰かを応援する優しさを教えてくださった富田正一さんについて、小誌「フラジャイル」の次号12号(9月発行予定)と13号(12月発行予定)にて、特集のページを組ませて戴きたく存じます。
 ぜひ皆様の中で、富田正一さんについて御記憶されていることや、追悼の御言葉を小誌へ寄せて戴ける方がいらっしゃいましたら、どうか下記まで御連絡を賜りましたら幸いです。富田さんがお好きでした寄せ書きのようなかたちで、掲載をさせて戴きたく存じます。
 富田正一さんにお喜び戴けますよう、「心の拠り所」の創造を責務と心得、旭川の詩文化の発展を目指し、先達の偉業を次世代へ伝えることができますよう、精進致して参ります。今後とも御指導御鞭撻の程、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
2021年5月
詩誌「フラジャイル」代表 柴田望
tao81nozomushibata@gmail.com

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