学研の文学全集『
現代日本の文学47
安部公房・
大江健三郎集』(昭和45年発行)に
清水邦夫氏が「
安部公房文学紀行~消されていく旅」というエッセイが掲載されており、なんと50年前の
旭川市東鷹栖の写真(カラー・モノクロ)がふんだんに収められています。実際に清水氏が当時の冬の
旭川市東
鷹栖町(当時)を訪れ、《雪眼》を体験、そこから次のような推測が展開します。「〈雪眼〉があるなら、〈砂眼〉というようなものがあったのではないか。」まぶたの裏に砂がくいこんだときに見えた世界から、作家のイメージが広がったのではないか?「たとえば人間がデンドロカカリヤという植物に変身していくさまとか・・・」