■季刊「詩的現代(第二次)」37号(2021 JUNE 詩的現代の会Ⅱ)を拝読させて戴いております。誠に、ありがとうございます。
特集は「ゴッホ」、愛敬浩一氏、高啓氏、川岸則夫氏、高橋英司氏、4人の書き手がゴッホについて論じている。高啓氏によって紹介されている(山形では、すぐこの詩が浮かぶ!)、赤塚豊子の詩篇「ゴッホの耳」、初めて知りました。川岸則夫氏の文からは、草野心平にもゴッホをモチーフにした詩(『鴉のいる麦畑』に寄せて)があることを学べました!
北海道の嵩文彦さん(「麓」)と澤田展人さん(「逍遥通信」)が、愛敬浩一氏の評論集「草森紳一の問い」(詩的現代出版部)について寄稿。草森紳一という非常に謎めいた大きな存在を総括して論じるのは非常に難しいという印象です。嵩文彦さんが書かれている「愛敬浩一は実にいい比喩で言っている。「植草甚一と比較されることが多いが、ああいうサラダのようなサクサク感は草森紳一にはない。」サラダであってはいけないけれど、ほっと息をつけるゆとりが文章にあってもいいように思う。それは彼には無理だろうと思い直す。彼の文章は彼の骨肉と一体なのだから。」という文は本質を捉えているようですが、「無理だろう」という一筋縄ではいかないところ、「骨肉と一体」という境地で書くという、恐ろしくも感動的なお仕事、畏敬の念に堪えません。