■12月16日(木)の北海道新聞夕刊(マイたうん旭川)に、「無意識より深い淵にあるもの 詩作で追いかける~吉増剛造さんが講演」、12月12日(日)旭川市中央図書館にて行いました、特別講演「小熊秀雄への応答」について、大きく掲載戴いております。旭川支社の若き記者、望月悠希さんによる記事です。誠にありがとうございます。
「旭川の持つ力は、まだ文章化できない」。吉増先生に旭川のこと、河原館、松島東洋さん、塔崎健二さん、星野由美子さんのこと、砂澤ビッキ氏との出会い、イクパスイのこと等について、旭川の磁場、詩の領土の深い場所に触れるお話を戴いたこの日を生涯忘れることはできません。
また、『現代詩手帖』12月号に書かれた「石巻学」の大島幹雄氏による「隅、ッ、ペ」のご指摘についてのお話、「意味を剥離した言葉は、記憶の底から何かを掬いだし、新たな生命を与えてくれる」(「おっぴちゃんの顔」)、深い感銘を受けました。「無意識よりももっと深い淵」の次元から詩が湧き上がる現場に立ち会わせて戴きました。それは講演と呼ぶよりも、異界の拓かれる事件でした。
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聳えたつイ(i)の樹木(き)の君よ! Slash石巻のあたらしい
踏切りの棹には幽かにSlashしかし香りのようにたし
かにSlash”たしか”を考へている思考の”アサ。ミル”の
縁のひかりがSlash別乾坤(ベチケンコン)の明しであったSlash
”ミチ”は、舌の鄙どナリ(i)、Slashイ(i)の樹木(き)の君よ!