詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■細田傳造さんより新詩集『まーめんじ』(栗売社 2022年3月3日)

細田傳造さんより新詩集『まーめんじ』(栗売社 2022年3月3日)をご恵送戴きました。ありがとうございます。御出版をお祝い申し上げます。「まーめんじ」とはマーメイドの幼児語、はやし言葉…。他にもオランケ(北方民族)、ピラカンサ(常緑低木)、カンチェギ(鵲)といった普段は聞きなれない言葉が細田さんの詩篇の中にはふっと登場しますが、親しみのない言葉にも親しみを感じさせる魔力があると思いました。昭和の子どもと令和の子どもの魂を感動的につなぐ近代社コンテンポラリー国語辞典の別れの挨拶(「ちゃーお」)、臭覚を失うことで逆に立ち上ってくる様々な記憶の匂い(「匂い」、それと「不幸」)、「ぼくがまだ蝋燭だった頃」の詩行が印象的な「ヒトワールド」に感銘を受け、一本の蝋燭の感性で、現代を俯瞰したり、世界の誕生の神話を味わってみたいと、羨ましく拝読させて戴きました。心より感謝申し上げます。

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