詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■3月26日(土)井上靖記念館(旭川市春光5条7丁目5-41)にて、(公財)北海道文学館理事長の平原一良先生の講座「原民喜の戦後~草野心平発長光太宛の手紙から~」

■3月26日(土)井上靖記念館旭川市春光5条7丁目5-41)にて、(公財)北海道文学館理事長の平原一良先生の講座「原民喜の戦後~草野心平長光太宛の手紙から~」、貴重なお話を受講させて戴きました。
 1950年にヒロシマで行われた日本ペンクラブ「世界平和と文化大講演会」で原民喜は「原爆体験以後」という講演を行う。全集の中にも「ヒロシマの声」という短い文がありますが、そのときの被爆者の方たちとの交流などについて、長光太との書簡の中に書かれていたこと、妻貞恵を失くして生きる意欲を失いながらも「天命」として被爆体験を書き、人前に出ることに臆病であったにも関わらず講演を行ったというお話や、長光太の『詩集 登高』(財団法人北海道文学館発行 2007年)を発行したとき、荒川洋治氏だけが「現代詩手帖」に「よく出してくれた!」と書いて反応してくれたというお話等、興味深く拝聴させて戴きました。
 草野心平が北海道の摩周湖を訪れた際の貴重なお写真や、長光太が札幌の詩人・河邨文一郎と笑顔で握手をしているお写真なども見せて戴き、宮澤賢治は死後高く評価されて全集が出ているけれど、オリンピックの歌で記憶される詩人になるのは嫌だなあ、と河邨先生が語っておられたとのこと。私にとっての河邨文一郎代表作は学生時代に読んだ詩集『シベリア』と『鎮魂曲』だなあ、と考えながら受講させて戴きました。貴重な勉強の機会を戴きました。心より感謝申し上げます。

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