詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■ 旭川の詩誌「フラジャイル」第14号(2022年4月25日発行)が完成致しました。

■おかげ様をもちまして、旭川の詩誌「フラジャイル」第14号(2022年4月25日発行)が完成致しました。今回は500部発行し、本日、全国の皆様のもとへクロネコDMメール便にて発送させて戴きました。だんだん、お手元に届くことと思われます。是非ご覧戴けましたら幸いです。

・特集として、昨年12月12日(日)に旭川市中央図書館にて開催致しました、「小熊秀雄生誕120年記念講演 小熊秀雄への応答~現代への影響と将来への展望~」(特別講師 吉増剛造 ・講師 柴田望 木暮純)講演録を収録致しております。吉増剛造先生を講師に迎え、昨年発行された詩集『Voix』(思潮社)、講談社現代新書『詩とは何か』、『現代詩手帖』12月号の詩集評に大島幹雄が書かれた書評「おっぴちゃんの顔~吉増剛造『Voix』~」のこと、小樽の故木ノ内洋二氏から贈られたアイヌの神具「イクパスイ」について、吉増先生が1978年に書かれた「旭川は鉄器の味がした」(詩集『青空』に収録)…いまだ「文章化できない」「旭川の持つ力」のこと、その核心に触れるような深いお話。当日会場に足を運ばれた詩人・金石稔氏の貴重なご発言も収録させて戴きました。「gozo's DOMUS」(「葉書Ciné」「SmokyDiary」)のYouTube配信をサポートされた吉成秀夫氏(書肆吉成店主)、後藤亨真氏(コトニ社)からのメッセージも戴いております。

・表紙に、旭川出身の写真家・メディアプロデューサーの谷口雅彦氏(谷口雅彦写真アーカイブ室代表)による『日々の旅1993-2002』(ワイズ出版写真叢書15)より 作品No.126。懐かしい旭川駅です。谷口雅彦氏からはエッセイ「生まれた春光の町と緑町の光と影の家と最初の写真を撮った日のこと。」 なんと、生まれて初めて撮影したお写真についての興味深い貴重なエピソードをご寄稿戴いております。生まれた春光の町…今の柴田の住所のすぐお近くです。

・詩のゲスト寄稿と致しまして、葉山美玖さんの最新作「公園」を収録、葉山さんの独特な世界観が底光りする詩篇です。

岡和田晃さんよりご寄稿戴きました「現代北海道文学研究(四) 「北方領土文学」をめぐるアポリア」、ロシアによるウクライナ侵攻を、ティモシー・スナイダー、ヨーゼフ・ヴィンクラーから考えること。アイヌを棚上げした「北方領土」交渉、一九五〇年代から六〇年代の「北方領土文学」。(補足訂正としてp.77下段、21行目の「共生移住」は、「強制移住」のこと。《共生》を《強制》された歴史についての深い考察です。)

・覚書としてp.84、編集委員の一人である木暮純さんの前衛的な短信、合わせ鏡のように、二重露光のリフレインを致しております。二回続けて読みたくなる、いい文です。

■詩誌「青芽」(富田正一主宰)の後継誌として、2017年12月に北の地で創刊致しました小誌の活動も、5年目に入ります。その間、多くの方からのご支援、ご協力を賜り、一歩ずつ、ここまで進むことができました。
また、道内外の様々な文学の取り組みをされている皆様よりお声掛けを戴き、沢山の貴重な勉強の機会を戴いております。 心より感謝申し上げます。
そして、小誌の紙面だけでなく、イベントなど様々な機会に関わって戴きました、すべての皆様との出会いを大切に、ご一緒出来ました時間を宝物として胸に刻み、時代の激震の渦の中でも、微かな詩の言葉に耳を澄ませることができますよう、
これからも一同精進致して参る所存でございます。
今後ともご指導、ご鞭撻のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。 

★書店(旭川ジュンク堂・こども冨貴堂・コーチャンフォー旭川)へも納品致しております。
札幌は書肆吉成さんにだけ、毎号納品させて戴いております。
遠地の方で、もしご興味お持ちの方がいらっしゃいましたらメッセンジャーにて御連絡戴けましたら幸いです。

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詩誌「フラジャイル」第14号  目次
2022年4月25日発行
【特集】
2  小熊秀雄生誕120年記念講演 小熊秀雄への応答
~現代への影響と将来への展望~
特別講師 吉増剛造   講師 柴田望 木暮純
2021年12月12日(日) 主催:旭川市中央図書館
17 旭川は鉄器の味がした  吉増剛造
21 講演会に寄せて  書肆吉成店主 吉成秀夫
23 吉増剛造先生の様々な実践から感じる、詩の能力への希望 コトニ社 後藤亨真

【詩作品】
24 《ゲスト寄稿》 公園  葉山美玖
26 投了  冬木美智子
28 虚脱  松本莉鼓
30 ふきのとう  福田知子
32 精が出ますね  二宮清隆
34 形  川嶋侑希
36 【気密のアフロディテ】  木内ゆか
38 鵜野しのぶ  わかれ雪  38 三分間ニュース  
40 ■共作の試み(小篠真琴から、鵜野しのぶへの手紙より) 
42 それが希望  小篠真琴
44 本と映像の日々34  山内真名
46 みいこはここに居ます  菅原未榮
50 福士文浩  やまぼうし(改訂版)  52 存れ光(KSJバージョン)
53 佐々木虎力  周年を祝う  54 自然に帰れ  55 一杯の雑炊 
56 荻野久子  春告げ鳥  57 種子
58 木下ヒサ子  正ちゃん帽  60 如月
62 ギターの音色に惹かれて  星まゆみ
64 侵されたわたしの錆びた車はあの街を走れるか  木暮純
66 労働  伊藤菜乃香
68 ヨレすぎ のよる  佐波ルイ
70 れんげ  金井裕美子
72 「旭川歴史市民劇実行委員会」の第45回旭川ななかまど文化賞受賞と東延江先生が『詩と思想』3月号(土曜美術社出版販売)に書かれた「わが郷土旭川の詩人―鈴木政輝」に深い感銘を受けて  柴田望

【特別寄稿】
74 岡和田晃  現代北海道文学研究(四) 「北方領土文学」をめぐるアポリア
78 谷口雅彦  生まれた春光の町と緑町の光と影の家と最初の写真を撮った日のこと。
79 伊藤菜乃香 朗読と音楽の会 レポート
      『瑠璃も玻璃も照らせばひかることばたち』  

82 〈書評〉木暮純
・『高田博厚=ロマン・ロラン往復書簡 回想録『分水嶺』補遺』 高橋純〔編訳〕(吉夏社
・佐藤裕子詩集 『風媒譚』(阿吽塾)

82 同人特報 / 83 受贈図書(御礼)/ 84 短信 

【表紙】 『日々の旅1993-2002』(ワイズ出版写真叢書15)より 作品No.126  ©谷口雅彦

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