詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

北海道が誇る詩人、小篠真琴さんの第二詩集『へいたんな丘に立ち』(文化企画アオサギ)!!

■全国規模の名だたる詩誌に参加し、現代詩の世界のみならず、俳句や短歌の才能も高く評価されている、北海道が誇る詩人、小篠真琴さんの第二詩集『へいたんな丘に立ち』(文化企画アオサギ)が遂に刊行されました。おめでとうございます!!
 帯のメッセージに「雪と実りの循環」「現実生活の苦楽」のキーワード。「わたし達は/どこへ向かっているのでしょうか?」(山岳レスキュー」)…決して平坦ではないはずの予測不能な現代を、小篠さんの詩の感性の広大な深さ、詩の領土が優しく包む。「だれも敵などはいないのだ/だれも憎んではいないのだ」(「かもめを見送った日」)。そもそも「丘」は「へいたん」ではないはずだ。静と動、生と死の絶え間なき循環の波形の起伏を、心の機微を、全身で感知できる感性の豊かさと、言葉で表現できる巧みさ…「かおの皮が厚くてやぶれない/みんな、そうして生きているんだ」(「ピーマン社会」)、励ますことのできる優しさ…「スニーカーのひもをむすび直せば/トップランナー/少年はいま、つばさを手にした」(「つまずいた少年」)。
 今回、特に「木」を主題にした作品に注目! 木の「ふるえ」を知覚し、詩人が「私の役割」としてそっと包んで支える詩篇「支える」、祖父の「エイ、ヤー」が遠くから響いてくるような詩篇「オンコの木」、絶唱とも言える、人よりも神に近い聲を伝える詩篇「常代の松」、地底の水を天空に伸ばし「利別川の清流」や「ほの紅い火の燃えさかる聲」を幻視させる。幾世代を越えて地底の涯てまで行き渡る根は「ひとの心の繊細で広大な世界」へ届く血管。「へいたんな丘」のラインを描くのは、樹々を育む大地と包む空。「ここがスタートラインである/すべてが終わり すべてが始まる」(「へいたんな丘に立ち」)。
 冒頭の「山岳レスキュー」とラストの「海が見たい」は小篠さんが詩誌「フラジャイル」に書いてくれた作品。小篠さん、ありがとうございます。6月17日、鷹栖図書室での朗読会にて、詩誌「フラジャイル」メンバーで、北海道の詩の歴史に残るこの詩集のお祝いに、収録作品より、小篠さんの詩篇を群読したいと思います。本当に嬉しいです。ご出版、おめでとうございます!!

★多くの方にお読み戴きたいです。宜しくお願い致します。
■文化企画アオサギHP 小篠真琴詩集『へいたんな丘に立ち』刊行しました!!
http://aosagipoem.main.jp/archives/1342

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