詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■「さて、」(2022年5月 第11号)

■「さて、」(2022年5月 第11号)を拝読させて戴きました。ご恵贈戴き、心より感謝申し上げます。
 天草季紅さんの「小熊秀雄未完歌集『幻影の壺』を読むためのノート』に注目、小熊秀雄の歌に惹き込まれる理由として、「体温が匂ってくるような身体描写や絵の具のタッチがリズムを感じさせる音や声のひびき、なにげない語の反復など、それらが相俟って、普段は眠っている感覚の原野に触れてくる。言葉を概念としてではなく、質量をもつ物質として使っているのではないだろうか。それがとても温かく自由である」という小熊作品の特徴を捉えた見事なご指摘。言語表現の芸術が目指すべき極の地点の一つが語られていると感じました。昨年上演された旭川歴史市民劇では、旭川歌話会に小熊秀雄は参加し、(フィクションではありますが)斎藤史との微笑ましい恋の場面が人気でした。

f:id:loureeds:20220711221358j:image