詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■「潮流詩派」第269号

■「潮流詩派」第269号をご恵贈戴きました。心より感謝申し上げます。今年は寅年だったのですね…〈特集1 とら〉に、小篠真琴さんによる「虎の子の成人式」、「虎の子」は「ゆっくり枯れゆく」「衣服を着替えてそらへ飛び立つ」「パキラ」へ変わる。「あしたの朝」は1月10日でしょうか。タイトルに「成人式」とあるが、別に成人式が書かれているわけではないところが小篠さんの素晴らしさ。時を止める魔力を帯びているように思います。
 山本眞弓さんの「嘆く勿れ」は冬のオリンピックのこと。あの様々な規定違反は何だったのか。詩人は少女の嘆きを詩の題材に選んだ。
 岡和田晃さんの「悪を撃つ詩」、フィリップ・K・ディックの「ヴァリス」…虚構と現実の境目が崩れたような事件のニュースが先週から世界を駆け巡っている、そのことを考えさせられました。
 〈特集2〉は高良留美子さんの追悼特集。かつて旭川小熊秀雄賞の最終選考委員を長年務められた詩人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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