詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■詩誌「凪」創刊号(「青い凪の会」2022年12月1日)

■詩誌「凪」創刊号(「青い凪の会」2022年12月1日)に恋しています。創刊おめでとうございます。凪とは風のほとんど無い零地点、ここ雪深き北海道旭川の荒れる吹雪の白だらけの日も、凪のような…、時が止まる小康が訪れます。小熊秀雄の「焼かれた魚」は動物たちに自分の肉体を食べさせながら、故郷の海へ、所有を手放し無へ、本当の自分へ向かっていく。たどりついた海は荒れていない。「わたしには/生きているはずなのに/死んでしまったような気がするときがあって」(黒田ナオ「雲の翼」)、「決して完全にはならない夏の、殺されることの静かな白さ」(岩佐聡「不可能な省略」)、「なにを尋ねてきたかわからないけれど わたしにはそうとした答えられなかった」(椿美砂子「言葉」)、「起床はいつも目覚めの前にやってきて/またひとつ夜の物語を/カーディガンに仕舞い込む」(白島真「うすいカーディガンの女」)。「青春 朱夏 白秋 玄冬/どれもがみなはぐれた色彩を冠にしている」(天乃絵留「媋廈愀昸」)。「既存誌の閉鎖性に不満を募らせ、反措定を目指した」との石川敬大代表のお言葉に心からの賛同と、詩誌にできることの可能性への希望と、私は自身の反省を心に、時代の節目に立ち会えましたこと嬉しく、創刊を心よりお喜び申し上げます。ご恵贈戴き、誠にありがとうございます。

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