詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■小島きみ子さんの『空と大地の眼で織られた布(テキスト) -愛と希望のmethod―』(阿吽塾 懐紙シリーズ第七集)

■小島きみ子さんの『空と大地の眼で織られた布(テキスト) -愛と希望のmethod―』(阿吽塾 懐紙シリーズ第七集)を拝読させて戴きました。誠にありがとうございます。
 「三 母の祥月命日を供養するために丘の上の家に行った」に『ヘンゼルとグレーテル』と『いばら姫』を読む「わたしたち」が「手を重ね合わせて切り絵のような草の葉の子どもを作った」とあり、その子ども「月子」からの手紙(「十五 月子の手紙(1)」)では、ヴァレリーが『テスト氏』で示した「イメージ(image)とマネージ(manege)の隙間を走る道筋とは「方法論」なのです」というmethodが語られます。『ヘンゼルとグレーテル』と『いばら姫』という必ずしも世界に存在を歓迎されない主人公の物語から生みだされた「月子」は、現代を生きる私たちと同様、存在を否定されることに抗い生きる運命を課せられ、想像と死と再生の歩調の隙間を道筋とするmethodで乗り越えていく。
 「愛と希望のmethod」、希望の書として拝読させて戴きました。誠にありがとうございます。恐縮ながら拙文感想を阿吽塾へ寄稿させて戴いております。

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