■詩誌「フラジャイル」第16号（2022年12月）を発行することができました。おかげ様をもちまして創刊5周年を迎えます。日頃より小誌へのご理解・ご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
・詩集『雨の合間』で第55回小熊秀雄賞を、小説「オニ」で第56回北海道新聞文学賞を受賞されたアイルランド在住の津川エリコさんをゲストに迎え、詩篇「花なんか飾って」を冒頭に掲載。
ゲスト寄稿に谷川俊太郎氏公認カフェ「俊カフェ」のオーナー、古川奈央さんによる詩篇「種」、8月14日に「俊カフェ」で開催されたコトバスラムジャパン北海道大会（主催：詩誌「フラジャイル」）で優勝したHaruka Tunnelさんによる「ロスト・ターミナル」を掲載致しております。
・今年9月、哲学者・宗教学者・詩人の鎌田東二先生（京都大学名誉教授）が北海道内の三か所（旭川17日・札幌18日・函館19日）を訪れ、講演・演奏・朗読のイベント「吟遊詩人、北海道を巡る」が開催されました。本誌では9月18日札幌会場、鎌田東二先生と仏文学者で小樽商科大学名誉教授の高橋純先生の対話「対話・聴き耳頭巾が落ちている」を収録しています。
・表紙には旭川出身の写真家・メディアプロデューサーの谷口雅彦氏(谷口雅彦写真アーカイブ室代表)による作品『夕景』（1980年11月）。谷口雅彦さんは今年、令和４年度旭川市文化奨励賞を受賞されました。本誌には11月３日に大雪クリスタルホールで行われた授賞式での谷口さんの記念講演「カメラと写真と旭川の最初の写真師・中鉢直綱」をご寄稿戴いております。
・特別企画として、今年没後20周年となります、文芸評論家・高野斗志美先生の「オレストの自由―戦後文学のエゴについて」を掲載。旭川大学名誉教授で三浦綾子記念文学館初代館長の高野斗志美先生が35歳のときに書いた、日本の戦後文学の在り方を鋭く問うこの評論は1964年（昭和39年）、第四回新日本文学賞を受賞。文芸評論家・岡和田晃氏が「現代北海道文学研究６・高野斗志美と戦後文学の存在論的空白」と題し、この評論が現代に提起した問題の意義を浮き彫りにしています。
・書籍のほうは市内書店（ジュンク堂書店旭川店・こども冨貴堂・コーチャンフォー旭川店）にて取り扱っております。ご購読希望の方はDMを戴けましたら幸いです。
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詩誌「フラジャイル」第16号 目次
2022年12月
【ゲスト】
2 津川エリコ 花なんか飾って
【同人作品】
4 鷲谷みどり ゆきどけ ゆきおんな
6 諸橋亜桜 都市 〜杉本徹 空中都市へ想いを馳せて〜
8 金井裕美子 秋に誘われたわけじゃない
10 二宮清隆 それでも明日を
12 清水俊司 狐物語 秋から、新年へ
14 佐波ルイ 驟雨到来 しとど
16 川嶋侑希 手紙
18 木内ゆか 沈丁花
20 福田知子 あやめさん
22 星まゆみ ポーチュラカ
24 山内真名 本と映像の日々 38
26 小篠真琴 大雨災害
28 崗蛙汕 ヒト
30 うのしのぶ ひらがな
<小説>
中筋智絵 かき氷
【ゲスト】
34 古川奈央 種
36 Haruka Tunnel ロスト・ターミナル
【同人作品】
38 澤井浩 希望と罪
40 福士文浩 旅人
42 菅原未榮 友子の火の見櫓
44 冬木美智子 回 游
46 澄川智史 思い
48 荻野久子 白い季節
50 木暮純 犬 ―或る正月に逝ってしまった愛犬ウラジーミルを追悼して―
52 界兀歩 消息・伝統
56 柴田望 腕
57 吉田圭佑 草原であなたと対峙する
59 対話・聴き耳頭巾が落ちている
鎌田東二（詩人・哲学者・神道学者）×高橋純（仏文学者）
「吟遊詩人、北海道を巡る」 2022年9月18日 主催 詩誌「蒐」
68 カメラと写真と旭川の最初の写真師・中鉢直綱 谷口雅彦
（令和４年度旭川市文化奨励賞受賞記念講演）
72 高野斗志美歿後20周年特別企画
オレストの自由― 戦後文学のエゴについて 高野斗志美
80 現代北海道文学研究（６） 高野斗志美と戦後文学の存在論的空白
岡和田晃
85 存在の文学 ～高野斗志美先生のこと 柴田望
86 述語が小さすぎる
―「主語が大きすぎる」とは別の仕方へ、西田幾多郎の思索を介して
森レイ
92 同人近況・お知らせ 95 受贈図書御礼 96 編集後記
