詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

【第二版】NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない: ~アフガニスタンにおける検閲と芸術の弾圧に対する詩的抗議

■日頃よりバームダード(亡命詩人の家)の活動へのご理解を賜り、誠にありがとうございます。
 8月に発表致しました『詩の檻はない』第二版は、おかげ様にて11月3日発行の準備が整いました。
 Amazonにて現在《予約注文》が可能です。皆様どうぞ宜しくお願い申し上げます。

【第二版】NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない:
アフガニスタンにおける検閲と芸術の弾圧に対する詩的抗議
 
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・2023年1月、タリバン暫定政権により、アフガニスタン国内における詩作が禁止された。芸術の自由と人権が脅かされる過酷な状況への抵抗の連帯を世界の詩人たちに呼びかける詩人ソマイア・ラミシュのもとに寄せられた作品をまとめ、世界に先駆けて日本で発行された『詩の檻はない』の第2版。初版に4作を加え、計61名の詩人の作品を収録
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『詩の檻はない』第二版!!

 公的機関や企業でもない人々によるボランティアの、私心のない私的な力を寄せ合うような取り組みであるにもかかわらず、あっという間に全国、そして海を越えて世界へと輪が広がりました。多くの方々の温かいご支援を賜り、心より厚く感謝申し上げます。
 「詩」とひと口に申しましても、詩に対する考え方や書き方、活動の仕方や所属団体なども異なる様々な詩人の皆様が垣根を越えてご参加くださり、アフガニスタンの状況、人権の問題、詩という芸術形態のあり方について、真剣な想いを胸に詩をご寄稿くださいました。
 権力や暴力を扱う戦いではなく、不寛容さに寛容さで対峙するような、一見無力な、大切な想いの込められた言葉の表現の力がいかに大きなものか、思い知らされた奇跡のような一年を生涯忘れることはできません。(柴田望「第二版の発行にあたって」)

 私は、驚くべき熱意を示し私たちの抗議活動に多大な貢献をしてくださった日本の詩人たちに恩義を感じ深い感謝を表明しなければなりません。三十人を超える日本の詩人が、揺るぎない連帯の意思表示として詩を送ってくださったことに深く感謝しています。この詩集には、世界各地の詩人たちの声を紹介するコーナーと並んで、日本の詩人たちの詩を載せています。
 本書はアフガニスタン陥落二周年の日に出版されます。この本の出版は、詩とあらゆる形態の芸術を禁止したテロ運動であるタリバンアフガニスタンが引き渡された恥辱に対する断固たる抗議です。彼らは少女たちから教育を受ける権利を剥奪し、女性を家の中に閉じ込めたのです。
 この詩集は、詩の力を通じて非人道的な行為を激しく非難する、団結した詩人コミュニティの抗議を体現しています。(ソマイア・ラミシュ「序文」)

 「詩を書き続けたい」という詩人の聲に心を動かされ、応援したいという意思を持つことは、政治以前であり、根源的な存在の問題に関わる人類の想いの顕れであり、その領域に触れることが詩の営みであると考え、Somaia RamishさんのメッセージをSNS等で拡散させて戴きました。ご賛同戴き、バームダードへ詩をお送り戴いた詩人の皆様へ心より感謝申し上げます。(柴田望「あとがき」)

【著者について】

詩:
ソマイア・ラミシュ 青木由弥子 青木陽二 あさとよしや 植松晃一 S・K 遠藤ヒツジ 大田美和 岡和田晃 尾内以太 クノタカヒロ 小島きみ子 佐川亜紀 恣意セシル 柴田望 高柴三聞 髙野吾朗 高細玄一 田中目八 谷脇クリタ 丁章 津川エリコ TOXIC なゆた 二条千河 にゃんしー 野口壽一 南風ニーナ 林美脉子 葉山美玖 Haruka Tunnel ふくだぺろ 福田葉 文月悠光 三木悠莉 村田譲 元ヤマサキ深ふゆ 森耕 雪柳あうこ ゆずりはすみれ 吉田圭佑
アビ・スベディ アルシャード・カーラ アンネ・ヴェクテル セシル・ウムアニ クリストファー・メリル デビッド・ボコロ ダヴィデ・ミノッティ ファテメ・エクテサリ ハフィド・ジャファイティ フアン・タウスク ケイズ・サイード リディヤ・ディムコフスカ メッテ・モーストロップ モニーク・エマ・ジョアンネ ニーラ・ナス・ダス カマニ・ジャヤセケラ シェリー・ボイル スーザン・アレクサンダー タリク・ギュネルセル ティボー・ジャコ=パラット

イラスト:日野あかね
表紙写真:谷口雅彦  
翻訳:安藤厚

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