■「展示」(柴田望) *2025-1-10.
2024年12月 詩誌「フラジャイル」創刊7周年記念展示
日本茶CAFE/和風居酒屋 WHIZさんへ感謝をこめて
ありがとうございました。
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「 展示 」
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文字の書かれた
パネルが壁に貼られる
別々の作者による
表現として境界を保つ
推敲の痕跡に
隠れた声も異なる
文字をはみだす
お茶を飲み語りあう
人のいる時間や
いない時間に
お互いの文字を交換したり
彼らはだんだん馴染む
年に一度だけ
壁を越えて
作者たちが店に集い
書かれた詩や
ぜんぜん関係のない
チューリップの話をして
曇りガラスの白を融かす
一人の作者の思い通りにならなくていい
異界から運ばれてきた
境界は綴じ目となり
空間は本に変わる
脆い言葉(フラジャイル)を取り締まる
警官はまだいない
一枚だけ写真が飾られている
街の空に山脈が聳える
壁は表紙で文字を見守る
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■日本茶CAFE/和風居酒屋 WHIZさんにて、詩誌「フラジャイル」創刊7周年記念展示を2024年12月5日より開催させて戴きました。12月22日の忘年会イベントもおかげ様にて盛会のうちに終わりました。詩誌創刊の原点に還りました。忘れられない年末となりました。貴重な機会を賜り、心より感謝申し上げます。