詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

本日のサッポロ・アートラボ[サラ]主催の笠井嗣夫先生のご講演は満席の大盛会でした。詩を書くことと、詩を読むこと。誠にありがとうございました。

本日のサッポロ・アートラボ[サラ]主催の笠井嗣夫先生のご講演は満席の大盛会でした。詩を書くことと、詩を読むこと。マルセル・デュシャンジョン・ケージを例に挙げ、「意味が意味である以前の混沌とした言語の運動として世界にかかわる実践」、アートとしての詩歌論。俳句や一行詩も紹介。

詩の持つリズムと響き、そして沈黙。言葉は音符であり、新たな主体的な時間がリズムによって実現される、日常の時間に垂直な時間を生み出すということ、笠井嗣夫先生による音楽とは違う詩歌特有のリズムについてのお話、とても参考になりました。

その中で、那珂太郎の「飛び翔る影」が紹介され、「くる くる/くるるう くるるう」空を飛ぶ魂の狂おしい音韻の特徴のご指摘、死んだ同期生たちへの鎮魂。笠井嗣夫先生のご著者を読むと、なんと、那珂太郎は土浦海軍航空隊の予備学生であったとのこと。驚きました。うちの祖父と同じ所属です。

質疑応答では、詩を日常の言葉のような何かを伝える意味から離していく、さらに権威に従うための役割から言葉を自由にしていくことについて、例えば「悲しい」という語だけでは表しきれない意味以前を言葉で書く、それを受ける側である読み手の無限の可能性について、貴重な議論が交わされました。

そして今日は笠井嗣夫先生から、詩人渋谷美代子さんのこと、大門太詩集『ひらかなからひ』の一行詩のこと、北海道の大門太さんがどのような詩人であったかという忘れられない貴重なお話を戴きました。笠井先生、本日は誠にありがとうございました。本日ご来場戴きました皆様へ心より感謝申し上げます。

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