■朝日カルチャースクール「詩を作る教室」(野村喜和夫先生)、8・9月期、11・12月期を受講しました。創作についての深い学びを得ることができました。ありがとうございました。2・3月期も受講します。12月22日講座へ提出した詩と、拙作についての自分のコメントをここに記録します。
受講/創作・自作コメント
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12月講座提出作品
「Hic et nunc」 柴田望
ひとのはんぶんくらいの余生に
下絵にすぎない
太陽を転写させる
ひとのはんぶんくらい無情になり
裁断した空を
悲鳴の種類ではずす
ひとの皮膚に血のつながりのない
もうひとりの署名を仮縫い
幾何学を脅かした
平置きで採寸すると
主語は透ける
非対称の陰影を臨む
地軸は傾き粉のように地名を撒く
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〈自作コメント〉
・前回(11/24)、先生がナンシー・ウッドの『今日は死ぬのにもってこいの日』(めるくまーる)に言及されたので、その日はいつだろうと考えたとき、「Hic et nunc」というラテン語を想起。Here and Now、「今、ここで」という場所と時間で、死ぬのにも生きるのにもふさわしい地点かもしれない。
・このラテン語「Hic et nunc」はタトゥーデザインとして人気があり、刺青にしている人が多い。
・ローマン・ヤーコブソンの詩的機能の等価性の原理(「詩的機能は等価の原理を選択の軸から結合の軸へ投影する」)、「選択性の軸」として、
【刺青・彫り師】(「Hic et nunc」「下絵」「転写」「皮膚」「幾何学」)、
【仕立て屋・裁縫師】(「裁断」「仮縫い」「平置き」「採寸」)、
【地球儀・地球】(「地軸は傾き」「地名を撒く」)、
これらの「選択の軸」を「結合の軸」へ投影する。等価性を構成要素として強調する。
・仕立てた服は、将来サイズの合う他の誰かが着るかもしれない=「主語は透ける」。
・地球儀は、球体に地形が刺青されているように見える。海や陸や国境などが刺青されて、「粉のように地名」が撒かれている。
・「ひとのはんぶんくらいの」…、12月20日に私は誕生日で50歳になったので、人生100年で考えたときに半分ですが、70歳とか80歳で私は死ぬかもしれないので「非対称」の陰影。日の当たっていない側の夜の「陰影」。「地軸」は傾いている。約23.5°の傾きが、地球が太陽の周りを公転することで四季を生み出し、場所(北半球・南半球)と時期によって昼夜の長さを変える。
・発話者は少し離れたところ、宇宙から「臨む」、地球を臨んでいる、見下ろしている。
「Hic et nunc」の「今、ここで」は、発話者の居る地点かもしれない。
・拙作について野村喜和夫先生よりご講評を戴きました。お二人の受講者からも、とても気づきの多い丁寧なご感想を戴きました。ありがとうございました。
・講座の中で自作コメントを申し上げる際に、まっさらな球体に海や陸や国境などが刺青されている【地球儀】について、あまり説明できなかったことを反省し、下記の詩作を行いました。
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「地軸」 柴田望
ひとの首から上を練習台にして
地形を学ぶ
ひとの首から上は白紙
初心は傾く
まっさらなボールを練習台にして
川や海、国境を入れ墨し
赤道を風は巡る
髪型は乱れる
傾きながら地名を彫り
順番に陽をあてると
書いていた四季は巡る
非対称の陰影はそだつ
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