詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■本日2月14日は詩人・左川ちかのお誕生日…

■本日2月14日は詩人・左川ちかのお誕生日…2023年11月23日(木)、 ポエトリー・リーディング「左川ちかの詩朗読と室内楽」を開催。満員の北海道立文学館講堂で現代の北海道の詩人が佐川ちかの作品を朗読。二条千河さん、吉成秀夫さん、中筋智絵さん、しまちちさん、冬木美智子さんの朗読とトーク。詩の実作者である詩人それぞれの解釈による詩世界。同じ詩篇も朗読者の個性によって言葉の輝き方が異なる。伊地知亮子さん(DUAL BOOKS)による舞踏が紡ぎ出す詩の輪郭を味わい、最後に詩人全員でジョイスの「室楽」を群読。左川ちか生前唯一の著作であり、伊藤整の監修による、佐藤春夫の翻訳とはまったく異なる散文的かつ交響詩的な翻訳の朗読を、世界でも数少ないラヴァスト奏者のSAYOさんによる演奏とのコラボで実現。音符と詩と、文学館を包む紅葉の色彩との魔性の化学反応。ご来賓の思潮社編集者の藤井一乃さん、『対訳 左川ちか選詩集 Selected Translations of Sagawa Chika's Poems』の編訳者である菊地利奈さんからもお言葉を戴きました。
 左川ちかの文学への憧れ、原稿の手の感触、影響の拡がり…開演前に貴重な特別展に触れ、奇妙な懐かしさを覚えました。ちょうど2023年に記念すべき第70号の『北海道詩集』を刊行した北海道詩人協会や、同年に60周年を迎えた小樽詩話会の先輩詩人たちの紡ぐ詩語に生きる、燃える緑の生と死の感性の由来に出会い、潜在的影響を再発見しました。かつて北海道道詩人協会会員であった小松瑛子による評伝「黒い天鵞絨の天使・左川ちか小伝」(「北方文芸」第58号・1972年11月)は必読です。
 翌24日(金)には美術新彩堂にて「左川ちかトリビュートバイリンガル朗読会」。菊地利奈さん、中村和恵さん、唐作桂子さんの朗読と深いお話を拝聴。詩の翻訳者の実作が翻訳され、例えば「毎年土をかぶらせてね」といった生命の芯に響く北海道の言葉が、国境を超える驚きと喜び。現代の翻訳の現場の思考が時間を遡り、左川ちかの詩作の閃きの芽生えの瞬間を蘇らせる、詩の生まれる時空に導かれました。f:id:loureeds:20240214224913j:image
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