詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■詩人 支倉隆子さんへ、日本現代詩人会より《先達詩人への敬意》が贈られました。おめでとうございます!!

■詩人 支倉隆子さんへ、日本現代詩人会より《先達詩人への敬意》が贈られました。おめでとうございます!!心よりお祝い申し上げます。(日本現代詩人会報No.173~2023年第4回理事会で承認~)
 支倉隆子さんの詩をもとに制作させて戴きました、動画をここにアップします。

支倉隆子「月ん竹取物語ら」(「√2通信69」より)
(動画制作・作曲 柴田望)

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支倉隆子「かみ、ほとけ、水の不良は、」(「√2通信68」より)
支倉隆子「雨のふともも」(「√2通信67」より)
(動画制作・作曲 柴田望)

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支倉隆子「アマリリス 」(詩集『身空x』(思潮社))
(動画制作・作曲 柴田望)

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詩劇「洪水伝説(稽古篇)」作・演出 支倉隆子 札幌道新プラザ「DO-BOX」20190831

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詩劇「洪水伝説(稽古篇)」作・演出 支倉隆子 小樽運河プラザ20190901

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■本日2月14日は祖母の命日。樺太が故郷でした。祖父母のことを書いた詩をここにアップします。

■本日2月14日は祖母の命日。樺太が故郷でした。祖父母のことを書いた詩をここにアップします。

*****

「 海岸線  (特攻)」
*

 貴様 と 俺 …軍隊ではそう呼ぶ
 遺伝子に縫われた争いのために
 無数の俺と貴様の徴証を葬る
 敬意をこめて 耳ではなく目の核で
 醒めることでは解決しない
 指令を晴らすために 空気と雰囲気を裂く
 いずれにも死者がたちこめている
 四〇〇万年の起点を背に
 枝分かれ縫合する 巡る暗号の自転
 血を分けた水の先端 舌ではなく手で
 摑めない事変との接線をたぐる
 同期生全員でボイコット計画
 樺太師範はまるで農業専門学校 
 放課後は毎日畑仕事 芋、大根、キャベツ…
 学生らしい時間をください!
 要求が通るまで、答案は白紙で出す
 隔日でスポーツと自由の時間が与えられた
 アッツ島守備隊山崎大佐以下全員玉砕の報
 軍事教官が幅を利かせていた
 寮で各室長を集めた 次の雪戦会で
 O教官を氷の上に叩きつけよう
 俺達の作った作物を俺達には食べさせず
 ピンハネをし、あまつさえ俺達を
 虫か何かの様に扱って省みない軍人があるか
 天の制裁を与えるのだ
 彼は日本刀を持っている 抜いたらどうする
 責任は俺がとる 退学になってもいい
 雪戦会終了と同時にO教官を全員で胴上げし
 合図で氷の上に叩き落とした
 樺太連隊情報局長のF大佐に呼ばれた
 正直に話す 不思議と何のお咎めもなく
 二週間休んだ後、O教官の態度は一変した
 徴兵年齢が一歳下がり 全員検査を受けた
 学徒出陣の風 広島文理科大を諦め
 海軍予備学生合格の通知 将来は決まった
 この戦争に命を捧げるのだ
 死によって、家族は幾分でも助かるだろう
 俺達の世代の働きで日本を救うのだ
 最後の樺太神社祭を見に
 西一条高橋洋品店前を歩いていると
 俺の家をきいている師範の女生徒がいた
 行くのかな… いなければ可哀そうだ
 家へ戻りしばらくすると彼女が来た
 おずおずと千人針をくれた
 その後、出征の祝賀会と
 出発前にも一度だけ人目を忍んで逢ったけれど
 俄か雨でいそいで訣れた
 連絡船に乗ってからあけてくれと
 小さな包みをくれた
 九月十九日、繰り上げ卒業式
 戦時下の決意を込めて答辞を読み上げた
 校長は泣いておられた
 この時代に生まれてきたのが不幸だった
 軍隊に行けば、帰ることはない
 早く二〇歳になりたいと思っていたが
 二〇歳とは、こんなものだった
 九月二〇日、豊原駅で旅行者になりすまし
 ひそかに樺太を離れた 潔く散華しよう
 目の前を通り抜ける灌木の林 白樺の樹々 
 鈴谷平野 鈴谷岳 この目に焼きつけておこう
 連絡船に乗ってから包みをあけた
 錦織の御守りと黒髪が入っていた
 妻にするなら彼女だ 生きて帰れたら… 
 彼女の父に手紙を書いた
 未練を残さず立派に死にたくて
 二、三度しか手紙は書けなかった
 軍隊はすっかり人生観を変えた
 内地人のずるさからいろいろ学ばせてもらった
 身を現人神に捧げ南溟北漠の地に散らさん
 九月二十六日、土浦海軍航空隊に入隊
 全国より約千二百名の学徒が集う
 東大、京大、北大、早大、各大学高専の秀才たち
 軍人とは名ばかりですぐに飢えた集団と化した
 人間性は認められず 娑婆っ気を抜け!
 少しでも弛んでいると 総員ビンタ 飯抜き 軍人講話… 
 短期間で日本海軍の将校を作るのだから
 無理もないが、随分ひどい仕打ちだった
 三カ月後、適性検査で三百人が飛行機へ
 九百人は陸戦隊や潜水艦へ配属
 一人一人が日本を変えたかもしれないほどの
 優秀な戦友たちが蟻のごとく死地へ送りこまれた
 五月二十七日、海軍記念日 神龍特別攻撃隊編入された
 敗戦が近づいていた 飛ぶにも飛行機がない 
 グライダー特攻訓練 三里ヶ浜の熱い砂を踏みしめ
 本土決戦に備え あと何日かで出撃
 八月十五日、終戦 部隊長が自決した
 これからどうすればいいのか
 帰るべき故郷もなく、青森へ復員した

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■本日2月14日は詩人・左川ちかのお誕生日…

■本日2月14日は詩人・左川ちかのお誕生日…2023年11月23日(木)、 ポエトリー・リーディング「左川ちかの詩朗読と室内楽」を開催。満員の北海道立文学館講堂で現代の北海道の詩人が佐川ちかの作品を朗読。二条千河さん、吉成秀夫さん、中筋智絵さん、しまちちさん、冬木美智子さんの朗読とトーク。詩の実作者である詩人それぞれの解釈による詩世界。同じ詩篇も朗読者の個性によって言葉の輝き方が異なる。伊地知亮子さん(DUAL BOOKS)による舞踏が紡ぎ出す詩の輪郭を味わい、最後に詩人全員でジョイスの「室楽」を群読。左川ちか生前唯一の著作であり、伊藤整の監修による、佐藤春夫の翻訳とはまったく異なる散文的かつ交響詩的な翻訳の朗読を、世界でも数少ないラヴァスト奏者のSAYOさんによる演奏とのコラボで実現。音符と詩と、文学館を包む紅葉の色彩との魔性の化学反応。ご来賓の思潮社編集者の藤井一乃さん、『対訳 左川ちか選詩集 Selected Translations of Sagawa Chika's Poems』の編訳者である菊地利奈さんからもお言葉を戴きました。
 左川ちかの文学への憧れ、原稿の手の感触、影響の拡がり…開演前に貴重な特別展に触れ、奇妙な懐かしさを覚えました。ちょうど2023年に記念すべき第70号の『北海道詩集』を刊行した北海道詩人協会や、同年に60周年を迎えた小樽詩話会の先輩詩人たちの紡ぐ詩語に生きる、燃える緑の生と死の感性の由来に出会い、潜在的影響を再発見しました。かつて北海道道詩人協会会員であった小松瑛子による評伝「黒い天鵞絨の天使・左川ちか小伝」(「北方文芸」第58号・1972年11月)は必読です。
 翌24日(金)には美術新彩堂にて「左川ちかトリビュートバイリンガル朗読会」。菊地利奈さん、中村和恵さん、唐作桂子さんの朗読と深いお話を拝聴。詩の翻訳者の実作が翻訳され、例えば「毎年土をかぶらせてね」といった生命の芯に響く北海道の言葉が、国境を超える驚きと喜び。現代の翻訳の現場の思考が時間を遡り、左川ちかの詩作の閃きの芽生えの瞬間を蘇らせる、詩の生まれる時空に導かれました。f:id:loureeds:20240214224913j:image
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原子修先生、本当にありがとうございました。

原子修先生、本当にありがとうございました。フラジャイル、励まして戴きました。握手してくださった詩人の手の感触を忘れません🙇‍♂️。詩祭で拝聴した「石狩川」の朗読も。原子修先生が会長のときにご発行された、北海道詩人協会「資料•北海道詩史」を、一生大切に拝読させて戴きます。

www.hokkaido-np.co.jp

 

2024年1月30日(火)、旭川ケーブルテレビ「ポテトにこんにちは」に出演させて戴き、なんと「小熊秀雄」について、お話させて戴きました。

📺1月30日(火)、旭川ケーブルテレビ「ポテトにこんにちは」に出演させて戴き、なんと「小熊秀雄」について、お話させて戴きました。MCは石川慶太さんです。貴重な機会を賜り心より感謝申し上げます。
 小樽のジーンズショップロッキさんの小熊秀雄Tシャツ👚で出演させて戴きました。日野あかねさんの『漫画詩人小熊秀雄物語』、旭川の市民実行委員会が運営する「小熊秀雄賞」、旭川文学資料館、旭川歴史市民劇、詩碑、検閲の時代を生きた小熊秀雄の詩碑のある旭川の詩人としてアフガニスタンの詩作禁止令に抵抗するソマイア・ラミシュ@SomaiaRamishさんのBaamdaadに連帯した詩誌「フラジャイル」第19号の特集、『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない』のこと。最後に「蹄鉄屋の歌」を朗読させて戴きました。
 本日夜と2月中前半にも何度か再放送されます。ぜひご覧戴けましたら幸いです。
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小熊秀雄について】
  小熊秀雄旭川にゆかりのある詩人です。小説や童話、漫画の原作も書きました。画家でもあります。
ジャンルを超えたアーティストです。困難な時代に、自由や理想うたい、大胆なエネルギー溢れる作品を書きました。『飛ぶ橇』、『長長秋夜』、『小熊秀雄詩集』、『流民詩集』などが代表作に挙げられます。
 1901(明治34)年9月生(諸説有)。3歳の時に母を失い、稚内樺太秋田県などに移り住み、樺太の尋常高等小学校を卒業後は、漁師や農業、工場など様々な仕事をしています。1922(大正11)年に、お姉さんのハツさんを頼って旭川に住み着き、旭川新聞で記者となり、文才が認められ文芸欄も担当。この頃より短歌や詩作を始めます。
 20歳くらいから昭和3年くらいまでの5~6年くらいの間、旭川で新聞記者として、詩人として精力的に作品を発表し、旭川で大活躍します(当時の旭川の様子が那須敦志さんの脚本に描かれたのが、2021年の旭川歴史市民劇「旭川青春グラフィティ ザ・ゴールデンエイジ」です)。30歳くらいの頃は東京でプロレタリア文学運動に参加し、弾圧検挙に巻き込まれ、逮捕されたり、一時は発表の場を奪われましたが、1934(昭和9)年には詩誌『詩精神』を創刊。「働く詩人」を自称し、書斎派の詩人たちにはない、奔放で大胆かつエネルギーあふれる作品を発表。1935(昭和10)年には『小熊秀雄詩集』を刊行。長篇の『飛ぶ橇』、『長長秋夜』なども発表し、詩人として確固たる地位を確立。以降は当時の口語・日常語を巧みに生かした風刺詩なども残し、様々な新聞や雑誌に詩や、小説、評論などが掲載され、引っ張りだこになっています。1939(昭和14)年には、『愚感詩集』『逍遙詩集』『流民詩集』『通信詩集』と立て続けに作品を発表。旭太郎の筆名で漫画原作も執筆。1940(昭和15)年に原作を担当した漫画『火星探検』(大城のぼる作画)は、日本のSF漫画の先駆的傑作です。
 大正終わりころから太平洋戦争末期にかけて池袋モンパルナスというアトリエ村があり、池袋周辺に在住していた画家や音楽家、詩人などの若い芸術家を集い活動拠点としていました。小熊秀雄がそのアトリエ村を「池袋モンパルナス」と命名し、若者たちの様子を「池袋風景」と題する詩に表現しました。
 当日の日本の文学・芸術の世界で非常に旺盛に活躍し、力強いメッセージ性の強い作品を残し、多く才能と交流した小熊秀雄でしたが、1940年、時代と貧困と病により東京豊島区の自宅アパートで肺結核のため、39歳で亡くなります。追悼号や遺稿詩を様々な新聞や雑誌が掲載。1947(昭和22)年には中野重治の編集で『流民詩集』が刊行されます。
 戦後、1967(昭和42)年に旭川市常磐公園小熊秀雄詩碑が建立され、盛大な除幕式が行われました。詩碑建立をきっかけに、翌年から旭川市で「小熊秀雄賞」文学賞が創設されました。
 小熊秀雄の生涯を、ぜひ、日野さんの漫画で読まれたり、那須さんがプロデュースされた旭川歴史市民劇のDVDをご覧になられますと、映像的にイメージしつつ、小熊秀雄がどんな人生をこの旭川で送ったかということが思い描けると思いますし、岡田雅勝さん、金倉義慧さん、塔崎健二さん、高野斗志美さん…錚々たる方々が小熊秀雄の本を書いています。全集で作品や年表を読んだりしながら、理解を深め、さらに旭川文学資料館に行ったり、常磐公園の詩碑を訪れたり、学びを深めていく喜びを、この旭川で体験できると思います。
日野あかねさんの漫画】 
 昨年の注目すべき出来事として、この「ポテトにこんにちは」にも出演された、漫画家の日野あかねさんが描かれた『漫画 詩人小熊秀雄物語』が出版されました。日野あかねさんは17歳でデビューされたプロの漫画家の先生で(単行本『のほほん亭主、がんになる。』など)、旭川の文化・歴史の魅力、気づきや感動を猛烈なスピードで絵に変えていく…、毎日のように新作をSNSにアップしておられます。2023年7月に『漫画 詩人小熊秀雄物語』刊行!アマゾンKindle版は1,650円(税込)、あいわプリント書籍版は3,300円(税込)。
 ブックマークカフェ、旭川市中央図書館、旭川文学資料館でも日野さんの漫画の展示が開催され、多くの市民が足を運んでいます。詩人・小熊秀雄と言えば壮絶な暗い時代の象徴のように考える方も多いですが、高らかに笑う哄笑の詩人であり、底抜けに明るいユーモアの感性が詩に溢れています。日野さんはその輝きをカラフルな絵で表現し、登場人物たちの青春の煌めきを躍動的に描いています。小熊秀雄が漫画で表現されたことも驚きですが、こんなふうに漫画で描いていいんだ、自分たちのやり方で小熊秀雄を…と、様々なジャンルでそれぞれの小熊秀雄が表現される、次世代のための道を拓いてくれたように感じます。そして、なんとこの漫画の主要人物のお孫さんが、X(旧Twitter)で日野さんの絵を見たのがきっかけで、7月に旭川へ来られ、旭川文学資料館で貴重な写真や資料に触れる喜びの瞬間が溢れ、図書館の展示で記念撮影し、日野さんに感謝をお伝えたされたということがありました。旭川の歴史や文化が現代へ受け継がれていく、現代の人たちに広く伝えられていくということは非常に感動的なことです。
小熊秀雄賞市民実行委員会】
 1967(昭和42)年に、文芸評論家で旭川東高校の先生であった佐藤喜一さんが、第1回目の北海道新聞文学賞を受賞された『小熊秀雄論考』という評論を発表され、小熊秀雄再評価の契機となり常磐公園小熊秀雄の詩碑が建立されました。除幕式には、中野重治、坪井繁治、三浦綾子更科源蔵…、文学界の錚々たる方たちが集い、塔崎健二さんが朗読をされました。翌昭和43年に第1回の小熊秀雄賞がスタート。当時の旭川文化団体協議会が運営し、3回目までは道内の詩人が受賞。4回目から全国賞となり、錚々たる詩人たちが受賞者に名を連ねます。こうした詩の賞の運営も大変なことで、2005年の第40回で終了が発表されたのですが、全国から惜しむ声が相次ぎました。そこで、2006年11月1日、現在の小熊秀雄賞市民実行委員会が、小熊の業績をたたえるとともに、「北の文化」として受け継ぐべく発足しました。
 4月に旭川の扇松園で最終選考会が開催され、4人の最終選考委員の先生方(佐川亜紀さん、アーサー・ビナードさん、松井晶彦さん、堀川真さん)の激論が繰り広げられます。小熊秀雄賞市民実行委会の会員の方は、最終選考の場に立ち会うことができます。「あさひかわ新聞」には毎年特集的に、この小熊秀雄賞の最終選考会の様子が掲載されます。一冊の詩集、一篇の詩を読むということがどういうことか、どの視点から、歴史的、文化的、表現の問題も含めて、小熊秀雄だったらどう読むか。詩の作品そのものの本質について、純粋な議論が交わされる素晴らしい場です。
 5月にはアートホテル旭川で、盛大な授賞式が行われます。受賞者の朗読・スピーチや、記念講演もあります。こちらは会員だけでなく一般の方もご参加戴けます。会員の方にはご案内やお知らせ、会報なども送らせて戴きます。
 小熊秀雄賞市民実行委員会、個人の年会費は2,000円からとなっております。ぜひご入会戴けましたら幸いです。
 事務局・連絡先は〒070-8003 旭川市8条通6丁目あさひかわ新聞内 小熊秀雄賞市民実行委員会、TEL:0166-27-1577になります。小熊秀雄賞の応募につきましては、毎年1月末日が期日。発行詩集5冊をお送り戴きます。応募の要綱はこちらになります。
 今年ももう100冊程寄せられ、私たちは一冊一冊を大切に読ませて戴いております。選考結果は4月中旬、各主要新聞で発表。正賞は「詩人の椅子」1脚、 副賞30万円となっています。
旭川文学資料館・詩碑・「青芽」・「フラジャイル」について】
 旭川にはゆかりのある代表的な井上靖の記念館、三浦綾子の記念文学館があります。そして記念館や文学館はないですけれど、前回この番組でご紹介した安部公房、そして戦前には詩人の小熊秀雄が活躍したことを多くの方に知って戴ければと思います。旭川文学資料館へお立ち寄り戴き、展示室の一番奥に、貴重な資料や、小熊秀雄が書いた手紙、実際に小熊が使用した机なども展示されています。後世に与えた影響の広がりも学べる素晴らしい展示です。常磐公園の文学資料館すぐ裏に、小熊秀雄の詩碑があります。壺井繁治の揮毫で、無題という詩が刻まれています。
 小熊秀雄には旭川に詩や文学の友だち、画家でしたら髙橋北修さんなど、友人がたくさんいたのですが、その中でもとくに親しかった小池栄寿という詩人がいます。旭川や名寄などで教員生活を送りながら詩や短歌の創作を続けた方で、「小熊秀雄との交友日記」という手記を残された方です。大正末から昭和初期に活躍した小熊秀雄をはじめとする文化人や経済人、社会運動家たちが意気盛んに活躍したことが書かれており、大変貴重な資料なのです。その小池栄寿さんから詩を習ったのが、旭川の詩人・富田正一さんです。富田正一さんは戦後72年間、名寄・旭川で『青芽』という詩誌を発行し、詩人たちの発表の場を築きました。旭川市の文化功労賞を受賞されている富田正一さんの『青芽』の後継誌が、「フラジャイル」です。2017年に創刊、昨年2023年12月に第19号を発行致しました。旭川から発信していますが、道内のみならず全国の詩人にご参加戴いております。
【『詩の檻はない』について】
 「フラジャイル」第19号(2023年12月発行)は、アフガニスタンの詩人で、現在オランダに亡命しているソマイア・ラミシュさんのメッセージや作品を掲載しています。アフガニスタンタリバン暫定政権により詩を書くことが禁じられ、映画や音楽も禁止、女性の教育機会や人権そのものが剥奪され、国際的に非常に問題になっています。ソマイアさんが勇気を出して、世界にアフガニスタンの状況を訴え、自由を求めて戦っています。今日ご紹介した小熊秀雄が、検閲の時代を生きた詩人ですから、小熊秀雄の芸術に対する純粋な気持ちを引き継ぎ、私たちは旭川の詩人としてソマイアさんを応援しなければならないと思い、特集を組んでいます。昨年8月15日、日本を含めた世界各国の詩人たちから寄せられた詩を集めた『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない』という本を発行しました。この活動について、日本ペンクラブ(獄中作家・人権委員会)、日本現代詩人会からも支持声明を戴きました。現在発売されている思潮社の『現代詩手帖』2月号にこの活動について寄稿させて戴いております(【特集】抑圧に抗して 世界からの声ー柴田 望 「冷笑に抗う声」)。ぜひお読み戴けましたら幸いです。
「フラジャイル」は旭川市内ではコーチャンフォー旭川店、ジュンク堂書店旭川店、こども富貴堂さんで販売中。amazon楽天ブックスでもお求め戴けます。
『詩の檻はない』も、amazon楽天ブックスでも買えますが、旭川では✨こども冨貴堂さんに取り扱って戴いております。ぜひ。
【最後に】
 差別や偏見をなくそう、誰一人取り残さない、多様性を守ろう、という声が世界的に高まり、SDGsの目標となり、あらゆる企業の方々もSDGsのバッジをつけていますが、小熊秀雄は、百年前から多様性を大切にしていました。
 当時の社会的に弱い側、貧しい側に立たされている人たちの味方でした。困難なつらい状況を生きる人たちに対して、小熊秀雄は生きる力を与える声で、人間の根源に向って、詩の言葉を響かせることができました。

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📖『現代詩手帖』2月号 特集《抑圧に抗して 世界からの声》に、拙稿「冷笑に抗う声~『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない』」を掲載戴いております。

📖『現代詩手帖』2月号 特集《抑圧に抗して 世界からの声》に、拙稿「冷笑に抗う声~『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない』」を掲載戴いております。ソマイア・ラミシュさんの呼びかけ、8月の『詩の檻はない』の出版、KOTOBA Slam Japanの招聘により実現した12月のソマイアさんの来日、昨年一年間の活動について書かせて戴いております。
 昨年2月、ウエッブ・アフガンの野口編集長よりメールを戴き、タリバン暫定政権によるアフガニスタン国内における「詩作禁止令」に抵抗するソマイアさんのメッセージを知ったとき、古川善盛について調べていた私の手元には、かつて道内の詩の派閥を超えて詩人たちが編纂した『北海道=ヴェトナム詩集Ⅰ』(1965年)がありました。小熊秀雄、今野大力の詩碑のある旭川アフガニスタンの「詩作禁止令」を知り、日本にも詩を書けない時代があったことを想起しました。米軍の撤退したアフガニスタンのメッセージが、米軍が撤退しない日本に届きました。
 タリバン暫定政権にアフガニスタンが陥落した2021年8月15日のちょうど2年後に、私たちは『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない』を日本で出版しました。多くの方々のご支援を賜り、日本人詩人36名、海外詩人21名の詩を収めた本を発行することができました。8月24には旭川まちなかぶんか小屋にて、10月15日には横浜市協働スペースにて出版を記念するイベント開催。9月には日本ペンクラブ獄中作家・人権委員会より声明を戴きました。「詩とは思考する自由そのものであり、文学表現の礎である。ソマイア・ラミシュさんの詩による抵抗を支持するとともに、検閲に抗議し、自由の権利を守るために詩作に参加した世界の詩人たちに敬意を表したい。」
https://japanpen.or.jp/post-3327/
 11月、フランス語版『Nulle prison n’enfermera ton poème』のOxybia社からの出版が発表され、2024年1月20ー21日にはオンラインで出版を祝う世界規模のオンラインイベントが開催されました。世界各国から約70名の詩人が参加、日本からも11名の詩人が参加し、朗読とスピーチを行いました。
 12月16日にはKOTOBA Slam Japan2023全国大会(優勝:坂本樹さん 準優勝:二条千河さん)にソマイア・ラミシュさんがゲスト出演。「詩には社会を変える力がある」とソマイアさんは語りました。19日には横浜市協働スペースでのシンポジウム。女性の人権や文化が脅かされているアフガニスタンの凄惨な状況等について討議されました。
https://youtu.be/zLXcLH6BroA
(【動画】アフガニスタンと日本の詩人による知性対話・言論の自由と女性の地位、社会の解放について 2023年12月19日)
 1600字のレポートには書ききれず、誠に申し訳ございません。本当に多くの方からのご支援ご指導を賜り、昨年一年間の『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない』、Baamdaamdの活動を行うことができました。ご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。活動について2024年以降も様々な案が出されており、ご報告させて戴きつつ、実現すべく引き続き取り組んで参りますす。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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「メディアあさひかわ」2024年2月号に~旭川の詩誌「フラジャイル」第19号発行・詩集『詩の檻はない』の”後日談”も~…12月20日に発行した「フラジャイル」第19号について詳しく紹介戴いております。

📖「メディアあさひかわ」2024年2月号に~旭川の詩誌「フラジャイル」第19号発行・詩集『詩の檻はない』の”後日談”も~…12月20日に発行した「フラジャイル」第19号について詳しく紹介戴いております。心より感謝申し上げます。
 巻頭にゲスト寄稿を戴きました大木潤子さんの詩篇「現れるもの」、故永しほるさんの詩篇「補遺、あるいは別解」。
 朝伊ミチルさんの2作品、「アガル」「カレーとレモネード」のことも。
 2023年8月15日の『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM詩の檻はない』発行の経緯と8月24日の出版記念イベント「世界のどの地域も夜」(まちなかぶんか小屋)のトーク岡和田晃さん、二条千河さん、野口壽一さん、谷口雅彦さん、日野あかねさん、木暮純さん)、ソマイア・ラミシュさんのからの日本の詩人へのメッセージも収録。
 アフガニスタン在住の詩人、ファルフンダ・シュウラさんの詩篇「(あの事件の怒りと血のせいで私は心が塞ぐ)」(中村菜緒氏訳)を特別掲載。
  表紙は写真家谷口雅彦さんの写真集『日々の旅 1993-2002 谷口雅彦写真集 (ワイズ出版写真叢書16)』より。
 丁寧なご紹介を戴き、心より感謝申し上げます。
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❄詩誌「フラジャイル」第19号(2023年12月20日発行)
・ゲスト寄稿に詩人大木潤子氏(『遠い庭』で第61回歴程賞をご受賞!!)を迎え、冒頭に詩篇「現れるもの」を掲載。さらに詩集『壁、窓、鏡』で第57回北海道新聞文学賞を受賞された故永しほる氏を迎え、詩篇「補遺、あるいは別解」を掲載させて戴きました。とても幸せな詩誌です。
・1月にタリバン暫定政権がアフガニスタンで詩作禁止令を発令したことを受け、アフガニスタンからオランダに亡命されている詩人ソマイア・ラミシュさんが世界の詩人へ向けて「抗議を表明するために詩を送ってほしい」という《世界のすべての詩人たちへ》メッセージを発信。ウエッブ・アフガンから日本でも拡散し作品を集め、日本人詩人36名、海外詩人21名の作品を収めた詩集『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない』を8月15日に発行!amazonの詩集の新着ランキングでは全国1位となり、ペルシャ語版のBBC、英インデペンデント紙でも報道され、朝日新聞デジタルのコラム(玉懸光枝氏)でも紹介されました。9月には一般社団法人日本ペンクラブより正式に支持表明の声明を戴きました。11月にはフランス語版書籍がセシル・ウムアニ氏の尽力によりOXYBIA社より発行。12月にはKSJ全国大会へのゲスト出演でソマイアさんの来日が実現!!。活動の次元が急速に広がっています。
 詩誌「フラジャイル」第19号には8月24日に旭川まちなかぶんか小屋で開催した『詩の檻はない』出版記念イベント(世界のどの地域も夜)のトークを収録。岡和田晃氏(文芸評論家)、二条千河氏(詩人)、谷口雅彦氏(写真家)、日野あかね氏(漫画家)、野口壽一氏(ウエッブ・アフガン編集長)らが登壇し、今回の取り組みについてお話されました。
ソマイア・ラミシュさんの詩篇「(書け、とあなたは言った)」(日本語訳 木暮純 ・ 校訂 岡和田晃)、ソマイアさんから日本の詩人へのメッセージ、また、日本初公開となりますアフガニスタン、カブール在住の詩人ファルフンダ・シュウラ氏の詩篇「(あの事件の怒りと血のせいで私は心が塞ぐ)」のペルシャ語の詩を、イラン現代文学の専門家である中村菜穂氏による日本語訳で掲載しています。
・詩誌「フラジャイル」は旭川市内書店(ジュンク堂書店旭川店・こども冨貴堂・コーチャンフォー旭川店)、札幌では書肆吉成本店、小樽ではがたんごとんにて取り扱い戴いております(頒価600円税込)。
・オンデマンド版は書店版より少し割高になります(1,320円税込)が、amazon楽天ブックスよりご購入戴けます。
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詩誌「フラジャイル」 第19号 目次      2023年12月20日
表紙 谷口雅彦写真集『日々の旅1993-2002』ワイズ出版写真叢書15より
2 (ゲスト)現れるもの  大木潤子
6 (ゲスト)補遺、あるいは別解  故永しほる
10 (ゲスト)テールランプ  吉成秀夫
13 日本の詩人へのメッセージ ―2023年8月  ソマイア・ラミシュ
  (書け、とあなたは言った)  ソマイア・ラミシュ
16 世界のどの地域も夜 2023年8月24日 まちなかぶんか小屋
25 『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない』 2023年8月~12月
26 Farkhunda Shulaの詩
  (あの事件の怒りと血のせいで私は心が塞ぐ)  中村菜穂訳
28 言葉が出ない  高細玄一
30 詩を息をするように書いている  丁章
32 人  澄川智史
35 ダイ  松本莉鼓
36 命題不覚忘却  界兀歩
42 キュビズムの虹  福田知子
44 水の支配者  川嶋侑希
46 観賞魚  鷲谷みどり
48 巻貝の女  木内ゆか
50 追憶  荻野久子
52 反響  冬木美智子
54 山師は疾し 3 サーカス  菅原未榮
56 赤い橋  二宮清隆
58 本と映像の日々42  山内真名
60 崖に一羽 鳴き声は聴こえない  うのしのぶ
62 小説 心売り  清水俊司
64 小説 母の声  中筋智絵
66 (ゲスト)朝伊ミチル     
  アガル(ロングロングロングライムバージョン)
  カレーとレモネード
70 来る日  枝松夏生
72 くん炭となる  小篠真琴
74 問題  木暮純
76 翼  星まゆみ
78 神無月に走水第二隧道   佐波ルイ
80 原野  金井裕美子
82 斜角  柴田望
83 (ゲスト)仄めかす風 (夏の色彩にゆれるもの)   詩・写真 土師一樹
84 はつ冬小句集  福士文浩a.k.a.ぶんじ
86 「語り版 白きうさぎ雪の山から出でて来て ~歌人、齋藤史とその時代~」
                 構成・脚色 那須敦志
88 ブック&ツリー 日野あかね 
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