詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■「 壁 ―「蟲」 」   柴田望

■3月15日締め切り、6月5日発行の詩誌へ本日提出致しました。
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「 壁 ―「蟲」 」   柴田望
*
野性のカブトムシは北海道には生息しない、クワガタなら近所の山で捕れる
ペットとして持ち込まれ野性化して定着し生態系に悪影響を及ぼしている
トンボやバッタ、クワガタ、モンシロ、アゲハチョウ、カマキリなどを
注射で眠らせ、ナイフではらわたを摘出して、ピンで刺して箱に飾る
風の谷のナウシカ』の腐海王蟲(オウム)に似た種類はいない
でもどこかで見た記憶が…小説の挿絵だ、グレゴール・ザムザ
甲羅のついた背、褐色の腹、小さな無数の足、気持ち悪い斑点
全体は三つの章で構成されており、番号が割り振られている
だんだん化け物の声に変わり、いつしか声も出なくなった
自己の変容を観察するザムザの内部は実は人間のままだ
あからさまに変身したのはかれの容姿と家族の態度だ
起点で戦争の動因となったのは国益であったはずが、
イデオロギーにすり替えられ、大西洋憲章に賛意
「連合国」対「秩序破壊的な国々」、正義対悪
人類の権利および正義を保全する目的に変身
腐海は人類が侵してきた罪への報いであり
父親との複雑な関係性が反映されている
苦悩の旅路の末ナウシカは真相を知る
修復不可能なほど汚染された土壌を
浄化する人為的な生態系システム
これは蝶が見ている夢だろうか
ただの鉄の板にすぎなかった
戦勝国側の言語に染められ
胡蝶の夢に周と為れるか
熱せられ、伸ばされて
切り分けられた部品
変身に身をゆだね
鉄板は顕微鏡へ
生まれ変わり
科学に貢献
飛翔する
羽根の
蟲の

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■ 「 壁 」  ー川村兼一さんへ

「 壁 」  ー川村兼一さんへ
*

ベンジャミン・フランクリンはドーズ法で
インディアンから土地を奪った
アリゾナニューメキシコ
リザベーションに押し込めた
新渡戸稲造とホーレス・ケプロン
ドーズ法を応用した
言葉も宗教も同化すれば滅ぼせる
結婚式も葬式もイオマンテも禁じられた

新渡戸稲造の「植民政策学」、アイヌと同じようにすれば
朝鮮、韓国、中国、台湾も
植民地にできると北大で教えた

天然痘菌を毛布に擦りつけて
アメリカはインディアンを殺した
淡路から来た屯田兵
女性の古着に結核菌をこすりつけてアイヌの家に配った
結核 らい病 梅毒 天然痘
松前藩が本州から持ってきた
アイヌの病気だと本に書かれた

北海道には四千八百ものアイヌ語の地名
関東以北はアイヌだった
二万年前から日本にいた
先住民族として認める)(土地は返さない)

琉球は二万三千年前
当時はシベリアとアラスカが陸続きで
ベーリング海が無かった
米軍と自衛隊の基地があるので
琉球先住民族として認められない
大和朝廷の渡来人は二千年前に中国や朝鮮から来た

世界中の博物館が先住民族の遺骨を返している
日本だけが返さない
国が 学者が 遺骨を盗む
段ボールにごちゃまぜ 誰の骨かも分からない
博物館へ送るはずが ゴミ箱に棄てている
副造品は紛失したか盗まれている
裁判が行われる 返還しても謝罪はしない

広島と長崎に落とされた原爆は
米軍がインディアンを騙して掘らせたウランで作られた
アリゾナニューメキシコ
ウランを掘ったインディアンは
癌になって死んでしまった

ホピインディアン理事国のパスポートで
広島にやってきて謝罪した
「私たちが掘ったウランで作られた原爆が落とされた」
アイヌも参加しろと言われて 
原発は止めよう」と訴え
九〇年にはロンドンからモスクワまで走った
ドイツでは大歓迎された

今日は知里幸恵さんの生誕祭
近文小学校の近くに住んでいて
ユーカラを残して
大正十一年、『アイヌ神謡集』という本になった
イギリスからジョン・バチラーがやってきて
ユーカラはすばらしいと言った
金田一京助博士がノートをたくさん持ってきた
世界五大叙事詩の一つである
十七歳の知里幸恵がローマ字で近い音を記録して
二年後に出版された…

講演が終わると ライトは落ちて
白い刺繍の入った紺色の民族服を脱ぎ
ジーパンとネルシャツ 帽子を被り
誰だかわからなくなって
人混みに消えていった
*

※二〇一八年六月八日、まちなかぶんか小屋(旭川市七条通七)の最前席で拝聴した川村兼一氏(川村カ子トアイヌ記念館館長)の講演「知ってほしい、近文アイヌの歴史」を想起して。

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■「現代詩手帖」2月号、岡和田晃さんの詩作品「宿便」、奥間埜乃さんの詩誌月評について

■2月は逃げると言われるほど忙しく、今更ながら「現代詩手帖」2月号を、岡和田晃さんの詩作品「宿便」を、この時代の節目に、どうしても読みたくてようやく入手。小林多喜二忌の2月号、岡和田さんの作品が今という時代と真摯に向き合っているとすれば、同誌に掲載されている他のほとんどの詩作品は向き合うことから恐ろしいほど逃げている。詩の領土のある地点への照射を避けるように、長年にわたって何らかの力が働きかけてきたかのようだ。
 奥間埜乃さんの詩誌月評を拝見すると、なんと阿吽塾・綾子玖哉(北見市)さんの「阿吽通信」NO.3、金石稔さんの論「吉増剛造のほのめきの世界ー私信として元帷子耀くんに」、詩を寄稿した佐藤裕子さん、小蛇ベックさん、園出まみもさん、暁鳥青さん、青研たづきさん、柴田望の名前も掲載戴いており、感謝の限りです。拙詩「壁―「彡」」は、「現代詩手帖」11月号に帷子耀.氏が書かれた岡田隆彦論を拝読した感動を直角三角形に顕したものでありました。
 詩誌月評前半には、花崎皋平の特集が掲載された「逍遥通信」5号のこと、支倉隆子さんの「ALLん私記」、荒木元さんの「GA-GYU」も紹介されていて嬉しく拝読させて戴きました。2019年8月31日、9月1日、に支倉隆子さんの詩劇「洪水伝説(稽古篇)」を、北海道札幌・小樽の各会場にて行いました。1日目札幌が終わった夜、私と木暮純さんは、長屋のり子さんのご案内で小樽へ向かい、花崎皋平さんと一晩語る機会を戴きました。忘れられない思い出です。ほんの1年半前のこと。香港のデモが激化していました。皆さんとマスク無しでお会いでき、イベントのできた時代でした。
 支倉隆子さんの詩劇「洪水伝説(稽古篇)」についてはこちらです。
https://fragile-seiga.hatenablog.com/entry/2019/09/05/213318

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■詩誌「蒐」第14号(蒐の会 2020年12月20日)

■1月26日の小島きみ子さんのFB、TWITTERにてご紹介されていました、北海道の詩誌「蒐」(蒐の会)、渡会やよひさん、田中聖海さん、坂本孝一さん、本庄英雄さんの4人による少数精鋭、詩とエッセイでページ数は11ページ程ですが極めて詩質高く、本庄隆志氏による表紙もいつも美しく、貴重な勉強をさせて戴いております。
 詩誌「蒐」第14号(2020年12月20日)、渡会やよひさんの「島々」のヴィジョン、「目をひらくと/かすかに砂の崩れる音がするので/わたしは思い出すことができない/波が昨日どんな話をしていったかを/果てのない旅をする波たちの/つつましい握手の感触だけは残っているのに」…砂は話をする。波は握手の感触を残す。砂浜に残っているのか。寄せては返す、詩は聴こえるはずのない音楽や会話を聴く、あるはずのない感触を味わう、握手は挨拶。詩の感性が昼の海やマダラ蝶、夕陽や海に泳ぐ生きものたちと交信する。真夜中の海で、ヒトデの笑い、ホタルイカの発光…視えるはずのない光景を星々の高さから詩はとらえる。「小さなクジラのような循環バス」に揺られて「ここに着いた夜」「別の生が島であることなど誰も知らなかったあの夜」とある。私たちは多次元に住む。海と空と陸の昼夜の層を同時に織り進める。

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村田譲さんの新詩集『本日のヘクトパスカル』について 総合詩誌「PO」(2021年春180号 発行人:左子真由美氏 発行所:竹林館)

■歴史ある総合詩誌「PO」(2021年春180号 発行人:左子真由美氏 発行所:竹林館)P140-141に、村田譲さんの新詩集『本日のヘクトパスカル』について、柴田の文を掲載戴きました。誠にありがとうございます。詩集の魅力を、まだお読みでない方にお伝えできましたら幸いです。先週は北海道を記録的な低気圧が襲いました。今朝は曇り、雪は止んでいます。気象は神の領域。お許しを戴き、ここに転載させて戴きます。此の度は貴重な機会を賜り、心より感謝申し上げます。
*

総合詩誌「PO」は、昭和49(1974)年に創刊された詩・エッセイ・評論などを中心とした季刊の詩誌です。ホームページはこちらです。
http://www.chikurinkan.co.jp/po/

《180号 記憶・ことば・モノ》
中村不二夫   古層に潜む記憶と詩 ―一九七〇年の記憶と場所―
吉田光夫    時間の流れの中の表現
一色真理    私の緘黙と大きな「目」について
市原礼子    都市の記憶 ―多和田葉子の『百年の散歩』―
近藤摩耶    光、虹、結ぶ朝日、鉢
西田 純    いのち
左子真由美   ショートショート 「灯り」
寺沢京子    「かけがえのない生命の時間」
今井 豊    脳はモノと心の架橋
田島廣子    留置場大学を卒業するおっさんに
深尾幸市    立原正秋丸谷才一/開高 健
高丸もと子   揺れる日に/村役/声日和/冬
中島省吾    甘い甘いメロスの記憶
笠原仙一    詩集『源さんの火』から
吉田定一    「感覚の処女性」に立ち返って

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村田譲 『本日のヘクトパスカル』(竹林館) 柴田望

 数年前より、小樽詩話会の会報などで「本日のヘクトパスカル」連作をいつも楽しみに読ませて戴き、いつか詩集に結実されるのだろうと待望致しておりました。目次を拝見すると同名の詩作品は1~3までですが、詩誌などではもっとたくさん拝見しており、タイトルが変更されて本詩集に収められているのかなと思われます。例えば「三十年も住まってみれば/鉛水管も劣化し漏水事故も多くなる」ではじまる31ページに収録の「リフォーム気分」は、2018年9月29日に旭川ジュンク堂書店ギャラリーで開催した「「青芽」から「フラジャイル」へ」記念朗読会で朗読された時には、確かに「本日のヘクトパスカル」という題名でした(裸足のパフォーマンス。このときの村田譲さんの朗読はYouTubeで動画配信致しております。YouTubeで「村田譲 本日のヘクトパスカル」で検索すると閲覧できます。ぜひご覧ください)。
 ヘクトパスカルは気圧の単位。気象は神の領域。予想は外れることもある。だから驚きに満ちている。人の心も宇宙の領域。晴れの日も荒れる日もあるかもしれないけれど、そのすべての天候の器である空は太古の昔から変わらずそこにあり、「まあ、そういうことですから…今日は曇りでいいや」いかなる天気をも受容する器の大きな人って素敵。詩集は四部構成。前作『円環、あるいは12日の約束のために』(緑鯨社)と同様、台詞のような独白の文体で、一人の詩人の創作のようでありながら共作のようにも感じられる。2019年4月14日(日)、恵庭中央図書館で行われた「第12回 春萌え朗詩の会」へ行く途中、恵庭駅でピンクのレディース傘を持った村田譲さんを見かけ、なんというおしゃれな傘を持っているのだろう…と後を尾け、会場で朗読された「3月12日の約束」(詩集『円環、あるいは12日の約束のために』収録)を拝聴し納得。詩に登場する姉弟のピンクとグリーンの傘の取り違えが重要な鍵となります。イメージが豊かに広がりました。3・11へのレクイエム…あの深い朗読を拝聴してからというもの、私にとって村田さんの詩作品は人生の大切な一部分が切り取られた演劇的な効果というか、映像的に響く。一篇の詩の構成、一冊の詩集の編纂も、村田さんのパフォーマンスと同様、じつは緻密に計算されているのです(ご本人は少し照れて、「いや、いいかげんだよ」などとと仰るかもしれませんが…)。
 詩に選ばれた舞台(日常)があり、登場人物「妻」と詩人と読者の三者構造。詩人はだれに語り掛けているのか。「そういえば台所の換気扇も調子がよくないし/ほめれば割と調子に乗るタイプだし/寄りかかりすぎない程度に/次のお休みにお願いしてみよっかなぁ」(「さまようドアノブの」)。心の声のような書き方が、読者との秘密。悪戯心の共有のようでいて、じつは「妻」側にとっくに見透かされているようで、わくわくします。いちばん近い他者がもし自分自身であるとすれば、次に近い他者である大切な人との距離に紡ぎ出される時空を主題にされることで、詩にとって最も根源的な、人と人との関わりについて、自分との向き合い方についての表現となり、しかし私小説的な閉塞感からは解き放たれている。それは、感動的なあとがきの冒頭に書かれているように、「本を出すときはその扉の裏に「あなたにありがとう」と、書くものだと信じていた。」という想いが根底にあるからではないでしょうか。愛と感謝。大切な人を大切にする人はもてる。そしてユーモアを忘れない。かっこいいです。知人に村田譲さんのファンがたくさんいます。皆さん本詩集の発行を大喜びします。北海道詩人協会会長で私たち後進をいつも熱く応援してくださる村田譲さんは、恵庭での詩の分野の確立、道内外での朗読パフォーマンスなどの開拓、新たなファンの獲得による文化発展への寄与を評価され、令和2年度の恵庭市文化協会文化振興賞を受賞されました。おめでとうございます! また、村田譲さんのブログ「空中庭園な日々」は北海道の詩誌を中心に、気になるニュースが満載です。イベントなどを中心に紹介されるブログ「吟遊記」とともに、道内のみならず全国から注目を集めています。
 詩集の話に戻ります。とにかく帯がでかいです。表紙半分以上の高さです。詩が一篇まるまる収まるくらいの。帯の白は雲、表紙のブルーは空でしょうか。詩は比喩の魔術。感情だけではなく、運命の繫がりや様々な事象、相手だけでなく、自分自身の天気とも向き合うこと、難しく考えてもダメで、操ることはできなくて、予想も当たったり外れたり、でも最後には晴れたり…心の不思議と天体の不思議。言葉が見事に喩えます。ところで「ゴミステーション」が北海道弁だったとは…そういえば「スズランテープ」が北海道弁だということを教えてくれたのも、村田譲さんでした。いつも凄く勉強になります、ありがとうございます‼

(詩誌「PO」2021年春180号 発行人:左子真由美氏 発行所:竹林館)

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■「小樽文学館修繕寄付募る~文学関係者有志基金設立へ」 ~市立小樽文学館サポート基金づくり~

■「小樽文学館修繕寄付募る~文学関係者有志基金設立へ」 2021年2月16日の読売新聞(道央・道南版)に掲載されていたとのこと、小篠真琴さんにお教え戴きました。ありがとうございます。市立小樽文学館サポート基金づくりの呼びかけに参加させて戴いております。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
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市立小樽文学館サポート基金にご協力のお願い
市立小樽文学館は、1978年11月3日に開館しました。市町村立としては初の地域総合文学館としての誕生でした。建物は、1952年建築の小坂秀雄の設計による旧小樽地方貯金局です。
今年で開館43年目を迎えます。以来、企画展は150回を数えております。2020年は企画展を9本開催、2021年は企画展を8本開催予定と聞いております。
市の財政は緊迫しており、事業費は約150万弱ということです。そのため文学館が開催する事業・資料購入などは、支援団体の小樽文學舎も協力して行っているようです。
これまで小樽ゆかりの小林多喜二伊藤整をはじめ、多くの文学者の貴重な資料などを収蔵展示し、さらに秀逸なる数多くの企画展を開催してきました。
その中には、「若い詩人の肖像―伊藤整」「北原白秋と小樽・サハリン旅行」「多喜二の青春―その彷徨と発見」「しゃべり捲くれ―小熊秀雄の世界」「海の聖母―詩人・吉田一穂展」「小熊秀雄と池袋モンパルナス」「詩人と美術 瀧口修造シュルレアリスム」など全国的にも注目された展覧会があります。
 展示空間(壁面・床面など)が劣化し損傷が激しくなっております。前回の壁の修復は1989年、つまり32年前のことになります。全面的な改装が求められておりますが、新型コロナウイルスの影響などで入場者の減少なども影響し、それが無理状態のようです。館からは、2020年の入場者は3176人(2020年4月~12月度末)、前年度同時期比3573人の減少と聞いております。
今回、企画展が少しでも良好な環境の下で開催できることを目指して、まず壁面の張替えを行うための基金づくりを呼び掛けるものです。ちなみに通常の企画展で使用可能なスペースは約186平方メートルと聞いております。一度に全部の改装や修復は無理なので、最初に企画展の空間壁面を手掛けようと考えております。
 いうまでもなく文化は、心のオアシスです。文学は、精神活動の基点となるもの、そして素晴らしいその創造活動は私たちを豊かにしてくれます。こういう厳しい状況だからこそ、「文学の力」が求められております。
この改装が実現することにより、日々奮闘している市立小樽文学館の活動を少しでもサポートできればと念じております。
経費が低く押さえられた場合は、残りを文学館の活動のために使っていただく方向です。
 誠に勝手なお願いですが、この有志の願いに賛同してくださるようお願い申し上げあげます。呼びかけを道内各地にも広めていきたと考えております。なにとぞ、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
*市立小樽文学館サポート基金づくり
目標額:100万円
*期間:
2021年2月から3月末まで(一応の目安として)
基金
1口; 3000円(何口でも結構です)
また特別寄付も受付けます。匿名の場合はその旨をお知らせください。
*振り込み先:
お手数かけますが、有志メンバーの1人 嵩文彦の口座にお願いします。
(振り込み料をご負担ください)
北海道信用金庫 新札幌支店(店番023)
 (普通)4283224  嵩文彦(だけふみひこ)
<呼びかけ有志>
柴橋伴夫(詩人・美術評論家)、嵩文彦(詩人・現代俳句)、高橋純(文学)、
松田潤(文学)、萩原貢(詩人)、熊谷敬子(小樽プロモーショングループ事務局長),
加藤史朗(文学)、高山雅信(草森紳一蔵書プロジェクト副代表)
柴田望(詩人・フラジャイル主宰)、八木幸三(作曲家)、北村哲朗(彫刻家)
 
2021年1月末日

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■「創刊号の話題発生から第2号の爆発」!! 詩誌「指名手配」(編集発行人:佐相憲一氏 発行所:文化企画アオサギ)について (「楯  ―(集中)」 柴田望)

■2020年7月25日に創刊された詩誌「指名手配」(編集発行人:佐相憲一氏 発行所:文化企画アオサギ)の同人の一人に加えて戴いております。創刊号もお正月に発行された第2号も大変な好評にて、「創刊号の話題発生から第2号の爆発」とのご連絡を戴いております。
 文化企画アオサギ「指名手配」第2号のページはこちらです。
(詩誌「指名手配」第2号刊行しました!!
現代の荒波に指名手配された15名の新詩誌、怒涛の2号へ!!)
 第2号には「楯 -(集中)」という作品を提出させて戴きました。
 「1+1はなぜ2になり、3や0にはならないのか、はっきり言える人がいないほど常識は複雑になった。新型コロナウイルスの発生源はどこにあるのか、科学者が追求する声はかすかだが、政治家と高貴なる観客は根拠があるかのように強く明確に推測や憶測を言っている。」(閻連科「閻氏手記」)。2020年5月11日の北海道新聞に寄稿された閻連科氏の手記に触発されて。
 現代の問題について、昨年10月24日に三浦綾子記念文学館よりオンライン配信された小熊秀雄作品朗読会で室谷宣久氏(劇団くるみの樹)が朗読された小熊秀雄の詩「真人間らしく」と、Anthrax の「Antisocial」(TRUSTのカバー)を、心の中で大音量で奏でながら。
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楯  ―「集中」 

              柴田望

香港のデモが 武漢のデモが 全米のデモが 収束の兆しを見せず

デモは仕組まれている 抗議すればするほど 

対象にエネルギーを与える ××××××××

中央集中型の組織から分散・協働型のパワーへ 

中国で新たな戦略を説く男 

ノーベル平和賞候補 「わっはっは先生」

(アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞受賞)

常識は複雑になった 1+1=2ではない 

刺激と反応の間には《自由選択》の余地がある

脳は似た周波数へ振幅を変える 

数万人規模とみられる参加者の脳が

不幸を宇宙へ放射すれば 汚染を持続可能 

「人間の最大の罪は不機嫌である」(ゲーテ) 

黒板消しで《自由選択》をごしごし消す 

替わりにチョークで「わっはっは」と書く 

人生はつらい でも《つらい気持ち》イコール《あなた》じゃない

ケンカをふっかけられようと 脅し文句を聞かされようと

くよくよしたり おびえたり かっとなる必要はナイ! 

脳が騙すのを許さない ほんとうの自分と一体になれ! 

オレが不安の楯になるよ… 根拠は要らない

「わっはっは先生」が厄介なのは 境界を基準にしない

「指導者でさえ簡単に寝返る時代です」 

一つの文書が削除され 隠語で翻訳し直される  

「わっはっは先生」は指導しない 

反戦集会には行かない。平和集会に行く」(マザー・テレサ

テレビは見ない 99%の富を握る1%の声に操られない 

中学の歴史が示す 「わっはっは先生」の登場により

選挙戦が変わった パンデミックで莫大に儲けた連中にとって 

都合のいい候補者が落選… 国家ぐるみの嘘は暴かれた

「わっはっは先生」は昨夜、殺害された これは現代に起きた話

先生の教えを守り 誰かを憎むのをやめ 次に訪れるべき社会を

思いえがく誓いのセレブレイトした 今がどんなにつらくても 

《つらい》イコール《あなた》じゃない もう二度と騙されない

《偽ものの自分》は《あなた》が気づいた瞬間に死ぬ

指導者よ、間違えたな 殺すのではなく捕まえて

薬漬けにして考えを改めさせるべきだった 

警官が踏みこんだとき 窓ガラスは割れていた 

表札以外、実体のない会社だった 

「わっはっは先生」のTシャツ、オンラインで売ってます

潜在意識にタキシードを着たヒゲのカエルのイラストを刻む 

軍幹部の娘が見るアニメや家族のスマホ SDGsのバッジの裏に 

脳は似た周波数へ振幅を変える 

ごみ焼却施設の建設計画ではなく 愛に 

国家安全維持法の施行ではなく 愛に

都市封鎖と経済の破壊ではなく 愛に

黒人男性を殺した白人警官ではなく 愛に 

少数民族を弾圧し開き直る残虐さではなく 愛に

真実を語るものを叩きのめす仕組みではなく 愛に 

内側の闇をやり過ごし 嘘に満ちた時代への憎しみではなく 

感謝の念に満ちている もう二度と隷属しない

敵を攻撃することで敵を強くしてしまう逆説の構造を廃し

全人類の願いに集中する 

《わたし自身》という感覚は《あなた自身》ではない

「わっはっは先生」は本当はいない 

世界はあいかわらず狂っている  
*
(出典 詩誌「指名手配」第2号 発行日:2021年1月31日)
詩誌「指名手配」第2号 Amazon.co.jpのリンクはこちらです。
 

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