詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

🌈詩誌「フラジャイル」第20号【記念号】を発行します✨

🌈詩誌「フラジャイル」第20号【記念号】を発行します✨

📗戦後すぐの1946年から2018年の72年間発行が続き、全国1500人以上の詩人が関わった、北海道旭川の詩誌「青芽」(富田正一氏主宰)の後継誌として2017年12月に創刊した詩誌「フラジャイル」(年3回発行)はおかげ様をもちまして第20号【記念号】を発行することができました。
 創刊から6年が過ぎました。これまで多くの方からのご支援ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。第20号の奥付は2024年5月7日発行ですが、本日全国への発送(飛脚ゆうメール便)と、書店の納品を行いました。

📖詩のゲストに、『詩と思想』新人作品の選者である小島きみ子さんをお迎えし、パレスチナ自治区ガザにおけるジェノサイドに抗議し人間の愛と平和を希求する詩篇「(nostalgia)and(compassion)」をご寄稿戴きました。数学と言語の化学反応の錬金術のような傑作『Mの裏庭』(港の人)を昨年上梓された中村郁恵さん、ミツイパブリッシングより小熊賞詩集『雨の合間 Lull in the Rain』が再出版されたアイルランドの津川エリコさん、学生時代より私淑する若宮明彦さんをはじめ、ゲスト、同人、ご参加された皆さんの才能が煌めく第20号は詩祭の様相です。

📕「作っては壊し、作っては壊し。そのようにして、繰り返し問いかけ、生きる。」…昨年没後30年、今年生誕100年の安部公房の原籍地である旭川市東鷹栖の「東鷹栖安部公房有志の会」が昨年10月15日、宗教学者・哲学者の鎌田東二先生(京都大学名誉教授)をお招きし、東鷹栖公民館で開催した講演「安部公房 ―仮(化)の文学」を収録。

📘アフガニスタンの詩人ソマイア・ラミシュさんの詩篇「(銃弾が彼の心臓に狙いをつけたが)」「(詩を装填せよ、銃のように ― ) 」(日本語訳 木暮純 ・ 校訂 岡和田晃)と、ソマイアさんが2013年に書いた村上春樹海辺のカフカ』の書評「人生とは一つのメタファーである!——村上春樹海辺のカフカ』への眼差し」を、中村菜穂氏(著書に『イラン立憲革命期の詩人たち 詩的言語の命運』(左右社)など)にペルシャ語から日本語へ翻訳して戴き、文芸評論家の岡和田晃氏の解説とともに掲載!

📙北海道の詩人・古川善盛氏(1927~2006)の作品や詩論の特徴について、柴田望が昨年12月8日に札幌の俊カフェ(谷川俊太郎氏公認カフェ)で行ったトークと朗読のイベントを収録。俊カフェのオーナー古川奈央さんの父である古川善盛さんの若き日の詩作品が、なんと谷川俊太郎氏に読まれ、昭和30年代の雑誌『現代詩』にその作品と谷川俊太郎氏の評が掲載されていた!という驚きの新発見や、『実録土工玉吉―タコ部屋半生記』(1974年)など重要な書籍を刊行した古川善盛氏の編集者としての仕事についても紹介しています。

🌍1月21日、フランスペンクラブの主催で世界の50国以上の詩人が連帯し、日本からも11人の詩人が参加したオンラインイベント「アフガニスタンの圧政と闇に立ち向かう世界的ポエトリーナイト」の様子をレポート(Global Poetry Night: A Stand Against Tyranny and Darkness in Afghanistan)。

🖼日野あかねさんの漫画「教会について」は、詩人・木暮純さんが「詩めーる旭川」第16号(旭川詩人クラブ)に書いたエッセイを原作に書き下ろされた美しい掌編です。

🏢詩誌「フラジャイル」第20号は旭川市内書店(ジュンク堂書店旭川店・こども冨貴堂・コーチャンフォー旭川店)、札幌では書肆吉成本店、小樽ではがたんごとんにて取り扱い戴いております(税込600円)。
 オンデマンド版(税込1,661円)はAmazon及び楽天ブックスよりお求め戴けます。ISBN:9784815042912

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https://books.rakuten.co.jp/rb/17853724/

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詩誌「フラジャイル」第20号 記念号 2024年春

2 (ゲスト) 小島きみ子 (nostalgia)and(compassion)  
6 (ゲスト) 中村郁恵  parity
10 (ゲスト) 津川エリコ アウシュビッツの靴の山 ・ もう片方はどこだ
14 (ゲスト) 若宮明彦  デクノボー記念日
16 吉成秀夫  スプーンとフォーク
20 廣石万葉  月に触れる
22 諸橋亜桜  孤独
24 土師一樹  詩小説 青 ・ 緑
26 (ゲスト) 古森もの  理科室のダフネ
28 島つくえ  (遠い血)
30 枝松夏生  優しい夢
32 吉田圭佑  変
34 宣野井脩  シン・サッポロ
36 小篠真琴  新センターまであと3年
38 福士文浩  FRAGILE
40 冬木美智子 RACE
42 山内真名  本と映像の日々43
44 木内ゆか  お伽草子
46 佐波ルイ  まっすぐな道でさみしい
48 星まゆみ  いちまいの 絵
50 鷲谷みどり 大釜の魔女
52 丁章    辰年の父
54 澤井浩   死の臭気
56 荻野久子  DDT
58 菅原未榮  山師は疚しい 4 神様仏様ペテン師様
60 高細玄一  最後のメッセージ Last message from Gaza just before death
61 (ゲスト) 朝伊ミチル  誰にも私の世界を変えられやしない
64 二宮清隆  オセロ社会
66 木暮純   体温計がなくても
68 福田知子  花子よ扇を抱いて春の嵐にただ狂え―謡曲「班女」より 
70 澄川智史  「祈りの窓」~姪の残像
72 金井裕美子 陰暦三日
74 川嶋侑希  始まりの祝福
76 中筋智絵  白い海をあるいて
78 清水俊司  旅立った太郎に
80 ミニ書評  『上林俊樹詩文集 「聖なる不在・昏い夢と少女」』
         岡和田晃編(SF ユースティティア)  柴田望
81 那須敦志  語り版 白きうさぎ雪の山から出でて来て
         ~歌人、齋藤史とその時代~
84 教会について 作:木暮純 漫画:日野あかね
88 ソマイア・ラミシュ 詩2篇 日本語訳 木暮純 ・ 校訂 岡和田晃
   (銃弾が彼の心臓に狙いをつけたが)(詩を装填せよ、銃のように ― )
89 人生とは一つのメタファーである!
    ——村上春樹海辺のカフカ』への眼差し
   ソマイア・ラミシュ 訳:中村菜穂  校訂・解説:岡和田晃
96  Global Poetry Night: A Stand Against Tyranny and Darkness in Afghanistan
97 『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない ~アフガニスタンにおける
   検閲と芸術の弾圧に対する詩的抗議』に寄せて  髙橋純
98 詩を読み、詩を書く、その束の間に 【群録】Ver.1  土師一樹 古森もの
101 【急募!境融芸術集団、影鑞師の人】 文責:島つくえ(松本莉鼓)
102 【特別講演】 鎌田東二 安部公房 ―仮(化)の文学
118  「帶」 ~詩人・善盛さんの時代 現実の異端を書いた詩人の消息~
 2023年12月20日 俊カフェ (トークと朗読 柴田望)
134 お知らせ 135 受贈図書(御礼) 136 短信
表紙 「1982(昭和57)年5月 春光台にて」 ©谷口雅彦写真アーカイブ