詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■9月2日(日)、日本最古の鰊番屋である白鳥番屋にて 作・演出 支倉隆子さんの詩劇「ピングリーン人、アフリカに渡る」

■9月2日(日)、日本最古の鰊番屋である白鳥番屋にて行われました朗読会に参加させて戴きました。あれから1週間、世界がすっかり変わってしまい、1週間しか経っていないことが不思議です。たった4日後の朝に大地が揺れるなんて誰も思いもしなかった、海が美しい1日でありました。私たちフラジャイル旭川勢は朝5時に出発、8時には小樽に入り、番屋にて大変おいしい朝御飯を戴きました。(リハーサルのできる時間は、ありませんでしたので、やはり前日から入らなければなりませんね…^^。)
 皆様にご挨拶をしながら、会場設営のお手伝い、駐車場誘導など、させて戴きながら、あっという間に50人くらい?お客様はどんどん入ってこられ、午前9時30分スタ―ト。
 作・演出 支倉隆子さんの詩劇「ピングリーン人、アフリカに渡る」 福田知子さん、木田澄子さん、渡会やよひさん、藤山道子さん、支倉房子さん、川瀬祐之さんによる上演。ピングリーン人とは、ピンク+グリーン。荷札集配人であり、荷札そのものであり、妖精でもあり、果てしなく増殖を企んでいる不思議な存在…。休憩をはさみ、長屋のり子さんの進行により、ポエーマンズの皆様が登場。支倉房子さん、福田知子さんによる朗読。柴田がシンセサイザー演奏ということで、次の動画上映と演奏をさせて戴きました。木田澄子さんに声で御参加を戴きましたが、一曲目は音のバランスがなかなか難しく、やはりリハーサル必要ですね、誠に申し訳ございませんm(_ _)m
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■古い夏/小樽 「支倉隆子」

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■アマリリス 「支倉隆子」

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■また、支倉隆子さんの御詩集『身空x』(2002)より、「夜の草」の朗読を木田澄子さん、「犀」の朗読を渡辺宗子さん。そのときのピアノ演奏を柴田のほうでさせて戴き、朗読されるお二人の息づかいも聞こえるほどの小さい音で、声と息を聴きながら即興演奏、たいへん勉強になりました。進行表が手元にない状態だったのですが、長屋さんの司会進行で安心のもと、木田澄子さん、渡会やよひさんによる詩朗読。羽鳥☆NORIKOさんによる素晴らしいパフォーマンス、口笛と声、太鼓、音が一体化された舞踏とともに描かれていく。阿部嘉昭さんによる詩とお話。朗読の問題について、和歌の時代は詩と声は分離していなかった。芭蕉の俳句の時代から書いたものを確認できるようになり、声と詩の分離ははじまった? 俳句は朗唱に向かない。短歌は一首二回繰り返す。詩は朗読に向いている一定の長さの中で声が響く。エリック・ドルフィー「LAST DATE」に記された「音楽は一度空中に放たれたら、二度と取り戻すことはできない」二度と取り戻すことができない音の瞬間、一旦耳に入ったら消えてしまう…。支倉隆子さんの第三詩集『琴座』(1978)より「藤棚」。藤棚はこの世の何処にあるのか…「彼女は美しい湯気になる/二重奏も聴こえてくるかもしれない」。(阿部嘉昭さんの、響文社から出される御詩集、楽しみです!)
 さらに支倉隆子さんの妹さんでソプラノ歌手の藤山道子さんによる独唱。恐れ多くも柴田が一曲目の「少年時代」と三曲目の「アメイジングプレイス」で伴奏をさせて戴き、楽譜初見で、コードしか弾けませんが。歌がとてもお上手で、間近で聴かせて戴き、感動しておりました。その後サプライズということで…先日横浜詩人会でラップを披露し大うけだったという苫小牧の福士文浩さんによる自作詩「眩しくて」のラップ披露(柴田がリズムマシンとピアノ即興伴奏)。嵩文彦さん、長屋のり子さんの詩朗読でいったん閉会となりました。
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■50名以上ものお客様がお帰りになられた後、主催者、出演者の皆様によるパーティ、朗読も行われました。山本さん、渡会さん、福田さん、阿部さんともピアノにて朗読セッションをさせて戴きましたこと、皆様から詩に関する貴重なお話をたくさん戴き、とても勉強になりました。なかなかイベント続きで大変でしょうと渡辺さんにお声掛けを戴いたり、木田さんより、色んな先輩たちのお話を聞くことも大切ですが聞き過ぎず、大切なことは自分で考えて決断していくこと、渡会さんより、詩作品を書くことを《一番の》優先にすること、たくさんの励ましのお言葉を胸に。木暮純もいい朗読をしました。名残惜しい皆様のお見送り。またお会いしましょうと感謝の気持ちでいっぱいでありまして、フラジャイルチームは海辺を観光、堺町のポセイ丼で海鮮丼を戴いたり、北一硝子を見学したりと、しっかり観光客として、良い時間を過ごしました。あの美しい硝子たちは地震で割れてしまったのでしょうか。その時、どんな音楽が空中に放たれたのか。「音楽は一度空中に放たれたら、二度と取り戻すことはできない」 二度と取り戻すことができないからこそ、新しい音を放出するための空中のキャンバスは白い。
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丸一週間後、旭川にて、長屋さんより元気なお声のお電話を戴きひと安心、ありがとうございます。2018-09-09.

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