■本日10月17日(土)午後3時より、第53回
小熊秀雄賞の贈呈式が、アートホテルにて行われます。ホテル側の協力の下、検温・マスク等、コロナ対策をしっかり行った上で開催されます。柴田三吉さんによる記念講演(「詩のリズムと音楽性—
小熊秀雄・今野大力を中心に」)も行われます。
第53回
小熊秀雄賞決まる 長田典子さんの詩集『ニューヨーク・ディグ・ダグ』に 10月17日 アートホテル
旭川で贈呈式
第53回
小熊秀雄賞の最終選考会が23日に行われ、長田典子さん(64歳、神奈川県
横浜市)の詩集『ニューヨーク・ディグ・ダグ』(
思潮社)に贈ることを決めました。
コロナ禍」の影響で4月に開催する選考会が延期されました。対象は2019年1月から12月末までに刊行された詩集。全国から86点の応募がありました。
選考委員は、
アーサー・ビナード(詩人・エッセイスト)、佐川亜紀(詩人)、堀川真(絵本作家・
名寄市立大准教授)、松井晶彦(演出家)の4氏。実行委員会の坂井勝さんが進行役を務めました。
実行委員会による第一次審査で20点を選出。その中から二次選考として、実行委員会と4人の選考委員が各2点を推薦し、7点が最終選考会にノミネートされました。
最終選考会は、
旭川市高砂台の旅館「扇松園」で午後3時から始まりました。今回は会員に公開せず、運営委員10人が見守る中で行われました。4人の委員が7冊の詩集について講評する形で進み、3時間余りの激しい議論の末に、長田さんの『ニューヨーク・ディグ・ダグ』を第53回
小熊秀雄賞に授賞作に選びました。
長田さんは1955年、神奈川県出身。50代の半ば、仕事を辞めて2011年から2年間、米国ニューヨークに語学留学しています。渡米して2カ月後、
東日本大震災、
福島原発の爆発事故が起きます。そのときの体験と9・11
アメリカ
同時多発テロの記憶、そして幼い頃の父の暴力の記憶などの実体験を詩という形で表現しています。選考の
論議の中で、「タ
イムリーかといえばそうではない。だが多様性に富み、可能性をもっている詩集だ」と評価されました。
授賞を知らされた長田さんは、「反骨の詩人、
小熊秀雄の賞をいただき、大変光栄で嬉しく思います。どれほど勇気づけられたことかわかりません。これからも世界を見つめ、真摯に、勇気をもって、書き続けていきたいと思います。本当にありがとうございました」とコメントしました。
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第53回
小熊秀雄賞贈呈式は、10月17日午後3時から、アートホテル
旭川(
旭川市7条通6丁目)で開催します。受賞者には、正賞の『詩人の椅子』と副賞30万円が贈られます。
記念講演として、『旅の文法』で第52回小熊賞を受賞した柴田三吉さんが、「詩のリズムと音楽性—
小熊秀雄・今野大力を中心に」と題して話します。
また、受賞者による詩の朗読、選考委員による講評なども行われます。参加費は、700円(市民実行委員会会員500円)。