詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■自由詩誌「詩の牧場」No.9(2021.6.15.編集・発行人:小川道子氏)

■自由詩誌「詩の牧場」No.9(2021.6.15.編集・発行人:小川道子氏)、拝読させて戴いております。誠にありがとうございます。
 冒頭に「慟哭し/感嘆し/邯鄲して/苦悩し/消滅する」ではじまる竹内俊一さんの「牡丹雪」、無駄のない研ぎ澄まされた25行の中に雪や冬を思わせる語は一つもない。水晶玉に映る、儚い天使との出会いと別れ。
 岩辺泰史氏による、声と人の繫がりを奪う「マスク」についての詩二篇、小川道子さんの「ニコルさんからの贈り物」で最近、キャンプ場が流行っていることを思い出す。密を避けて山でテントが人気のようです。
 長屋のり子さんの「遠い日の 海辺のイサク」、アブラハムが屠ろうとした時、神は信仰の確かさを知ってこれを止めた。宇宙の音楽を奏でるとき、ト音記号を「トウンボキゴウ」と呼んだかもしれませんね。何と可愛らしい、北の海に「物語の小宇宙」をもたらす。
 よく見ると、加藤多一さんが共育舎より発行された詩集『タイチの場合』について、5月にブログに書かせて戴いた拙文を掲載戴いております。誠にありがとうごございます。加藤さんの御詩集の魅力はぎっしりつまっていて、書ききれておりません。

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