詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■2021年11月3日(水・祝)旭川市文化賞贈呈式(講演をさせて戴きました。)

■2021年11月3日(水・祝)、旭川市大雪クリスタルホールにて、
 旭川市文化賞の贈呈式が無事行われました。恐れ多くも旭川市文化奨励賞を賜り、身に余る光栄にて、心より感謝申し上げます。

 文化賞のあべ弘士さん、文化功労賞の秋岡康晴先生、本当におめでとうございます。あべ弘士さんへ、子どもの頃愛読していた『旭山動物園日誌』の感動、やまあらしのトゲが痛そうだったこと!お伝えできました。秋岡康晴先生とは旭川詩人クラブでご一緒です。秋岡先生は残念ながら体調不良にてご欠席でした。(後日、今日のことをしっかり報告させて戴きます。)

 旭川市教育委員会から戴く賞ですのに、私は講演で、旭川の中学生のいじめの問題について触れさせて戴きました。
 https://youtu.be/uEBpNpSA6BY

 いま旭川は、全国から注目されています。(大人である私たち一人一人の胸に突き刺さる、私たち一人一人に責任を感じさせる大変な事件です。未来を担う子どもたちのために、私たちはいままで一体何をしてきたのか?)
 そして中学、高校、大人になっても、あらゆる集団や組織の中で、他者と、あるいは自分の心と、どう向き合っていけばいいのか、恐怖や戸惑いを感じながら、多くの人が暮らしているという、普遍的な問題に対する文学の可能性について、富田正一さん、鈴木政輝、小池栄寿、小熊秀雄高野斗志美先生、安部公房のことを・・・今津新市長、中川市議会議長、黒蕨教育長、審査員長の鈴木社会教育委員会議長、教育委員会の皆様、市会議員の先生方もお揃いの場で・・・
 誠に僭越ながら、10分のお時間を戴き、「旭川の詩人」として、このいじめの問題について、全力でプレゼンをさせて戴きました。
 https://youtu.be/uEBpNpSA6BY

 10月24日にコトバスラムジャパン北海道大会の場で、皆様に申し上げましたが、恐縮ながら、今回の私の取り組みは、このプレゼンをさせて戴くために、実は、計画的に準備をさせて戴いたことでございました。
 いち市民の考えとして、大それた、恐縮な考えではございますが、詩、文学、哲学、思想が人類の存在のとてつもない深さを証明してきたのに、それを忘れてはいけませんし、北海道の文化の支柱である旭川が希望と誇りを取り戻すためにも、常に弱い側の味方であった小熊秀雄のことを、お話させて戴きたく、心の危機が明るみになった状況のいまだからこそ、どうしてもしなけれならないことと、何かにつき動かされました。
 YouTubeのコメント欄に、全文を掲載致しております。御覧戴けましたら幸いです。
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 https://youtu.be/uEBpNpSA6BY
 (高野斗志美先生のことをお話する際、涙声になっており、申し訳ございません。)

 本日、皆様からは御好評戴きましたが、失礼がありましたらお詫び申し上げます。このような場でこの内容をお話させて戴きましたことに、希望を感じております。発言の機会を賜り、心より感謝申し上げます。

 中川市議会議長からは、故・渡辺三子さんの思い出、東鷹栖支所の資料展示についての懐かしいお話を伺えました。
 恩師である旭川大学の山内亮史先生に、会場でお会いできました。感謝をお伝えできました。
 小熊秀雄賞市民実行委員会の橋爪会長、氏家実行委員長、ありがとうございました。
 秋岡先生の奥様にも日頃の感謝をお伝えできました。誠にありがとうございます。
 写真のシャッターを押して戴き…安田佳正先生、誠に申し訳ございません、ありがとうございます。
 旭川歴史市民劇〈旭川青春グラフィティ〉ザ・ゴールデンエイジのこと、何度かお話できました。那須敦志様、ありがとうございました。
 プレゼン資料冒頭、宮尾節子様のブログを使用させて戴いております。あの2017年4月22日の朗読会、奇跡のような一日に参加させて戴いたこと、忘れることはできません。宮尾節子様、西原真奈美様、ありがとうございます。
 大久保友記乃様、大きなお花を戴き、大変恐縮です。誠にありがとうございます。
 辻村様、文化振興課の皆様、何から何まで、本当にお世話になり、誠にありがとうございました。

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(冊子に掲載戴きました受賞のことばと、本日お話をさせて戴きました受賞者のご挨拶の際はこちらになります。)

■受賞のことば (冊子)
 この度は歴史ある賞を賜り、身に余る光栄に存じます。
 旭川は文学の都です。旭川大学で、安部公房井上光晴研究の第一人者である文芸評論家の高野斗志美先生と出会い、絶望的な状況から目を逸らすのではなく、光を当てることで救いを見出すことができると教わりました。時代の激動に身を投じ、社会変容の渦中に生きた哲学者、思想家の高野先生にしか書けない評論にこめられた、厳しくて優しいまなざし。若い世代に読み継がれて欲しいと願います。
 旭川は詩のマチです。特攻隊を見送る通信兵であった富田正一さんが復員後、「これからは心の時代だ」「心の拠り所をつくろう」と決心され、詩誌「青芽」を創刊。戦後72年間活動を続けられ、道内のみならず全国1500人以上の詩人が関わりました。恐れ多くもその後継を富田さんより託され、平成29年12月、旭川の詩誌「フラジャイル」を創刊し、皆様からの温かいご支援を賜りながら、発行を続けております。いまこそ必要な時代である「心の拠り所をつくる」こと。富田正一さんから引き継いだ、生涯をかけて取り組むべき課題です。
 心の拠り所と支え。私の文学活動はすべて、旭川文学の魂の支柱である旭川市文学資料館の学芸員、沓澤章俊さんとの二人三脚です。師であり詩友であり、文学の精神である沓澤さんへ感謝を申し上げます。また、私の活動をご理解くださり、自己肯定感の低い私を(「笑顔で…」)といつも励ましてくださる、勤め先の上司へ長年の感謝を申し上げます。
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■受賞のご挨拶 (当日)
 この度は、身に余る賞を頂戴し、誠に光栄に存じます。心より感謝申し上げます。
 私は高校まで岩見沢におりましたが、旭川大学で、山内亮史先生や、故・高野斗志美先生という、お二人とも学長を務められた、偉大な先生方から学びました、私はできの悪い学生でした。経済学部でしたが、「これからのエコノミストには、文学的な感性が必要なんだ!!」と励まして戴き、たくさんの貴重な学びの機会を戴いた記憶が、鮮明にございます。旭川大学!!母校がこれから公立化し、地域活性を担うということに、希望を抱いております。
 5年ほど前から、東鷹栖安部公房の会に参加させて戴き、その後、小熊秀雄賞市民実行員会、その他、全道、全国の詩の組織の取り組みに関わらせて戴いております。
 今年3月、『旭川歴史市民劇〈旭川青春グラフィティ〉ザ・ゴールデンエイジ』が、那須敦志さんをはじめ、多くの市民の皆様のお力により、見事に上演され、私も出演させて戴きました。
 そのゴールデンエイジ、大正・昭和の旭川が熱く輝いていた時代から綿々と続く膨大な文化資料を収める、旭川文学資料館の創立にも関わった、富田正一さんが72年間発行を続けた詩の雑誌の活動の、後継を託され、資料館の学芸員、沓澤章俊さんとともに、多くの方のご指導を戴きながら、旭川から全国に発信を致しております。僭越ながら文化振興の一助となれますよう、さらに精進致して参る所存でございます。本日は誠にありがとうございます。
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