詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■「小樽詩話会」第638号 (2021年12月 小樽詩話会)  「音楽」柴田望

■「小樽詩話会」第638号 (2021年12月 小樽詩話会)

「音楽」 柴田望
*

専制君主ミック・ジャガー
ソロアルバム(『She's The Boss 』)を出した頃…
キースが止めるのも聞かず、
朝五時に酔っぱらってチャーリー・ワッツに電話した。

「〝おれのドラマー〟はどこだ?」

二〇分後、ドアにノックの音 チャーリーがやってきた。
サヴィル・ロウで仕立てたスーツ、ネクタイを締め
髭を剃り、香水までつけている。
ミックの胸ぐらを摑み、顔を殴り、一撃で倒した。

「二度とおれをお前のドラマーと呼ぶな、〝おれのシンガー〟」

ドアーズやT・レックスに夢中になるずっと前から
あなたのビートを聴いていました。

高校のとき、『Flashpoint 』(一九九一年)を
カセットテープが擦り切れるまで聴きました。
ビル・ワイマンがいたころの初来日のライブで 世界一、
誠実で謙虚で、優しくて強くて、紳士的な
最強のリズム隊でした。

「左手でスネアを叩くときはハイハットを叩かない」

一人の仕事人として これからもあなたを意識し続けます。
チャーリー・ワッツ氏の訃報に接し
心よりお悔やみを申し上げます

f:id:loureeds:20211210002006j:image
f:id:loureeds:20211210002002j:image
f:id:loureeds:20211210002004j:image