■詩のネバーランド「SHY」Vol.2を拝受致しました。誠にありがとうございます。少数精鋭、3人の詩人による詩質の高い詩誌です。
原利代子氏の詩篇「ペニシリン」「あと5センチ」は、創作の原点の核のような過去の体験や、印象的な瞬間に形式を与え、読者の心に主題の本質を残すご作品、感銘を受けました。
山中真知子氏の「花葬」には、はっきりとした人格や出来事は登場せず(「あらい息をかぶせた人影」や「彫塑的な裸体」のみ)、生と死の狭間のような月明りの中で、言語として貌づくられる以前の言霊が響く、詩の領域へ誘われました。
下川敬明さんの「きみを待つひとは」…どんな人かということを沢山挙げているのに、はっきりとした人格へ焦点が定まっていくのではなく、これから起きる未来のはずなのに一瞬一瞬の記憶のように特徴が挙げられていく。「常にきみの思い出を携え きみと共にいる」過去世で既に出会っているのでしょうか。都会の駅や空港ですれ違う瞬間のコラージュのよう。
下川敬明さんによる「水晶の迷宮」ー『渡辺宗子 弦 詩集成』が開始。「虚飾・虚妄を鋭敏な嗅覚で排除し、世俗のノイズをふるい落とした末の「本質」を追求されているように思われた」…渡辺宗子さんの詩作品に向き合う本格的な詩論、楽しみに勉強させて戴きます。心より感謝申し上げます。