詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■『鈴と童子と道元と』 彩画:治海 文:山尾三省(地湧社 2022年12月8日)

■『鈴と童子道元と』 彩画:治海 文:山尾三省(地湧社 2022年12月8日)
 「道元には、よく知られているように『正法眼蔵』という大著があり、その中のいたるところには私たちを火と化し、水と化し、空と化する、深いことばの山川が息づいている」その息づかいに童子の鈴の音が宿っているよう。もしくは只管打坐(しかんたざ)、「自己という鍵を鍵穴(関心)に差し込んで回転させる」そのときの音だろうか。情報の速度に追われ、昨日までまったく聴けなかった私の耳にも、「親和力」「創生力」の魔術を持つ歓喜童子の鈴の音が森のざわめきのように浸みていく。自己を忘れる自覚への導きの呼吸を与えて戴き、心より感謝申し上げます。

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