詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■青空の中に夕焼け空が収められた表紙画が印象的な柏木咲哉氏の詩集『ぼちぼちや』(文化企画アオサギ 2022年11月1日)

■青空の中に夕焼け空が収められた表紙画が印象的な柏木咲哉氏の詩集『ぼちぼちや』(文化企画アオサギ 2022年11月1日)に収録された「ゴミ捨て場の夢」、〈塵からまた新たな命が誕生する〉〈命の再生という夢〉と希望に満ちた詩篇を読み、想起するのは2017年森下仁丹の「第四新卒」(オッサンも変わる。ニッポンも変わる。第二の人生を賭けたチャレンジ求む)、叫ぶ詩人の会が1997年にリリースしたシングル『はきだめの鶴』の「ゴミ箱に花が咲いている」というドリアン助川の叫び、伸びすぎて剪定された街路樹の枝や役割を終えて解体された木造家屋の木材が木質バイオマス発電に必要な燃料チップとして再生するSDGs社会、ブックオフにも売れなくて日々大量に廃品回収される書物たちに込められた20万年分の人類の英知。〈朽ちるとて完全な終わりではない〉決意を胸に、ペダルを漕ぐ夕暮れの帰り道。

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