詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■詩誌「ユルトラ・バルズ」Vol. 39(2023年4月25日)

■詩誌「ユルトラ・バルズ」Vol. 39(2023年4月25日)をご恵贈戴きました。誠にありがとございます。
 詩は現出者の同一性の手がかりとなる、現出の多様性を帯びます。細田傳造さんの「ヒロシです」、公式YouTubeも人気の芸人ヒロシがフランス観念論を語るわけがなく、吉野弘が嫌いで岩田宏が好きだという詩人の野球愛が滲み出ます。リイ君おれが好きだったか、岩田宏、大好きです。
 詩は世界の見方を変えたり、文学作品の読み方を変えたりします。細田傳造さんの「雨にも負けず」を読み、復員兵服軍靴の儘、宮澤賢治雨ニモマケズ」が腹の立つ詩歌になりました。
 詩は言葉が通常持つ意味から言葉を離し、それを主題にすることで読み手を驚かせます。細田傳造さんの「心臓を見せに行く」、心臓とは「見せに行く」(誰に?)ものであり、生と死の中間にあり、「業の深さ」であり、この国の胡散な臭いを流すのが心臓であったと驚かされ、見せつけられました。

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