詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■「グッフォ―」冬・第79‐80号(グッフォ―の会 2023年12月10日)

■「グッフォ―」冬・第79‐80号(グッフォ―の会 2023年12月10日)、中村郁恵さんの「示すだけの」「熱の憶え」の二篇は宇宙法則に迫る線の詩学。残酷なほどの無機質さが「誕生と喪失を/跡も残さず絡めあいながら」生命の芯に関わり、無色無臭の長さのはずが「色やにおいをやわらかに剥ぎ/あまねく事象の内に入」る。浸透する雫の流線、温度差の境界、「傾きゆく陽の/うしろをすり抜けてきた/光の帯に射され」、微細な傷として葉脈の面を刻む。直線は円弧や屈折の部分であり、点によって構成される。
 「はじまりのグッフォ―」(笠井嗣夫氏)を読み、本号が最終号であることを知って驚く。「Gufoはねぐらに帰るのだ。けれども、「グッフォ―」のメンバーは詩の活動をこれからもそれぞれのかたちで継続するにちがいない。」

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