詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

2月5日付の「あさひかわ新聞」にて、【小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】(主催 小熊秀雄賞市民実行委員会)

■2月5日付の「あさひかわ新聞」にて、1月27日にまちなかぶんか小屋にて行われました朗読会【小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】(主催 小熊秀雄賞市民実行委員会)につきまして、大きく御紹介を戴いております。工藤編集長がわざわざ会場にお越しくださり、写真も撮影戴いたとのことm(。_。)m、誠に、ありがとうございます!!

 当日はYOUTUBEでLIVE配信の試みも行われました。各動画は以下にアップ致しております。 
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

【動画】伊藤菜乃香「無題」小熊秀雄小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】20190127 
https://youtu.be/IYfgpyTjh68

【動画】柴田望「しゃべり捲くれ」小熊秀雄小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】20190127 
https://youtu.be/MSc4Ilt7RtI

【動画】木暮純「マヤコオフスキイの舌にかわって」小熊秀雄小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】20190127
https://youtu.be/2SHSMzbLfSw

【動画】小篠真琴「空の青さと雲の白さのために歌う」小熊秀雄小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】20190127
https://youtu.be/-EJYwTwlM_0
※小篠さんの朗読は、スマートフォンのLINE電話での通信に柴田のピアノをセッションするという、距離を超えた初めての試み☆

【動画】冬木美智子「黒い洋傘」「カンテラ小熊秀雄小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】20190127
https://youtu.be/78x966guKwg

【動画】荻野久子「佐藤春夫へ」
https://youtu.be/tnvdlyStEug

【動画】佐々木虎力「疑惑」(自作詩)
https://youtu.be/sArRjWtCnDg

【動画】富田正一「自分の路・他人の路」
https://youtu.be/jBQVagM67Is

【動画】群読「蹄鉄屋の歌」小熊秀雄小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】20190127
https://youtu.be/-FGtBILqpDk

f:id:loureeds:20190207082120j:plain

 

安部公房~サウンド・音楽と映像による朗読会 「棒になった男」 2019年2月23日(土) 

■まちなかぶんか小屋、旭川文学資料館、旭川中央図書館をはじめ市内の各図書館、公民館など、すでにかなり告知をして戴いております。誠にありがとうございます。今年は初めて、戯曲に挑戦致します。ぜひ、ご覧戴けましたら幸いです。
*

安部公房サウンド・音楽と映像による朗読会

「棒になった男」

  裁かれざることによって、 
  裁かれる者たち、
  棒となりて地に満てり。

日時 2019年2月23日(土) 13時30分開演
場所 東鷹栖公民館(旭川市東鷹栖4条3丁目安部公房サウンド・音楽と映像による朗読会
入場無料、予約は不要です。直接会場へお越しください。会員一同、皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。

■【動画】
「棒になった男」 安部公房サウンド・音楽と映像による朗読会 
https://youtu.be/bk3kEYefUtM

■【動画】
第一景「鞄」 『棒になった男』 安部公房サウンド・音楽と映像による朗読会 
https://youtu.be/KuLWJ80xBMk
*

「都市の発達に伴う価値観の多様化は、一方では価値観の混乱、人間関係の危機、アイデンティティーの喪失を拡大させている。」(ゴーシュ・ダスティダー・デバシリタ『棒の森』の超時代性をめぐって―安部公房『棒になった男』論―より)
旭川ゆかりの世界的作家安部公房が1969年(昭和44年)に発表した戯曲『棒になった男』の朗読会を行います。《人間が社会制度のなかに取り込まれ、生存枕争、所有欲などによって人間性を失いつつあることが示されている》現代の問題を照射した作品をして高い評価を得、ドナルド・キーン訳の「TheManwhoturnedintoaStick」をはじめ、世界各国で多数上演され続けています。
・音楽・サウンドと映像による新しいタイプの朗読会を企画致しました。(安部公房が所有していたシンセサイザーEMSSynthiAKSの音色と映像資料をご紹介します。)

東鷹栖安部公房の会 事務局長 柴田望

 

f:id:loureeds:20190207081856j:plain

西原真奈美さんの新詩集『朔のすみか』(2019年1月19日発行)

■宝物の写真、です☆
  
 西原真奈美さんの新詩集『朔のすみか』(2019年1月19日発行)。ここ、絶望的に雪深き地へ、届きました。ありがとうございます。結晶の嵐さえ暖かく照らす街灯の光のごとく、温度を感じさせてくれる詩集。
 
 「食べられるものが何もないの」(「朔の月」) 私たちは日ごろ命を戴いている。食べられるもの=命、が「何もない」という。私たちは命を戴きながらも、柔らかさから硬さへ、ヒトからモノへ、有機から無機への道をだんだん歩んでいく。時には性急に向かってしまう。「緩慢な死と引き換えの今を/注意深く 選び取るために」 その絶望的な状況が描かれているのに…それだからこそ、優しい決意のまなざしに守られていると信じられる。「凝らしつづけよ/必ず見つける者として/暗がりの中のすみか/あなたにかかる 朔の月」 そのまなざしが、生きにくさを抱えたすべての者に注がれていると希い、信じられる。「名を呼ぶ非望と/あなたの静けさに撃たれながら」(「水際を侵して」)

f:id:loureeds:20190207081756j:plain

f:id:loureeds:20190207081806j:plain

f:id:loureeds:20190207081814j:plain

 

■「小樽詩話会」会報No.620(2019年2月)

■「小樽詩話会」会報No.620(2019年2月)

今号よりフラジャイル同人の木暮純さんの作品が掲載(冒頭「孤独の切り岸」)。《詩は悲しみである》と「青芽」の合評会で文梨政幸さんが木暮さんの別の作品を評して言った言葉を思いだす。
 旭川市の冬、まさにシーズンど真ん中であります氷柱割りをえがいた二宮清隆さんの「二つ違いの兄と弟」、教員ストの実態をえがいた入谷寿一さんの「スト反省書提出」の最後の一行が強烈に印象に残りました。

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

「 顔Ⅷ 」 柴田望
*
 
桜が丘小学校にさんねん
卒業アルバムに妖精が写っていた
帰り道に水辺
釧路川
春採湖かもしれない(遠すぎる)
水も木も草の背もさやかに光り 
虫の音をかき分け 
仙人に会いに行く
行き方を何故か忘れて
辿り着けない日もある
川原全体きらきらして
おじいさんは穏やかに座る
長い髪 長い髭は 
亀の白い尻尾
ずっと伸びているように感じる
弟や友だち何人かも連れて行ったから
子どもにしか見えない夢じゃない
おじいさんの前に座る甕は
家を建てるとき、玄関の前に水をためる器で
永久にきれいな水が入っていました 
住んでいたのは興津(o-u-kot)で   
春採湖か
鶴ヶ岱だろうか(遠すぎる)
大人になってからも何度も
きれいな水があったと繰り返す
甕を覘くと境は薄くなって 
話したことはぜんぜん憶いだせない
ぜんぜん怖くないし
学校から三〇〇メーター離れた
美しい世界
同じ道を辿っても親と行くと
その場所は無くて
春採(haruturu)に転校するまで   
何度も行ったはずなのに
弟は憶えていない

o-u-kot = 互いに合流する川
haruturu = 向う地

f:id:loureeds:20190207081620j:plain

f:id:loureeds:20190207081632j:plain

f:id:loureeds:20190207081656j:plain

 

小熊秀雄✖︎フラジャイル リッジリーディング 2019年1月27日

■1月27日(日)14時より、まちなかぶんか小屋にて、
小熊秀雄賞市民実行委員会主催による朗読会「小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング」、会場満席の盛会にて、無事終了致しました。素晴らしい機会をお与え戴き、皆様からの多大なるご協力により行うことができました。心より御礼申し上げます。
 (会の模様、Youtube動画をアップ致しております。以下に動画URLをご案内致します。今回はライブ配信にも挑戦致しました。)

■最初に、私たちをいつも励ましてくださいます、氏家実行委員長より、今回の主旨をお話戴き、会のスタートとなりました。
 オープニングはフラジャイル新同人、東京在住の詩人、伊藤菜乃香さんによる「無題」の一部の朗読。日本語と、伊藤さんによる英訳での朗読の録音をスライド鑑賞。さすが英語の先生!素晴らしいご発音。その後、初公開!小熊秀雄動画上映、旭川文学資料館のご協力により、たくさんの貴重な資料の写真を使わせて戴き、動画作成することができました。次の動画です。

【動画】伊藤菜乃香「無題」小熊秀雄小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】20190127

youtu.be

【動画】柴田望「しゃべり捲くれ」小熊秀雄小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】20190127

youtu.be

■「しゃべり捲くれ」が書かれた時期は、文学者、詩人たちが当時の政府の圧力により、だんだんものが言えなくなっていた時期でした。小熊はその風潮とは逆に、「しゃべり捲くれ」というメッセージを発しました。上京前の小熊秀雄は、この旭川市の至るところで旭川の詩人たちと大いに文学や政治を語り、詩を朗読し、作品を語り、若い詩人たちを育てました。そんな旭川の土壌で培った詩精神を東京へ運び、このような重要な作品が次々と生み出されたと考えられます。
 今回は旭川の詩誌「フラジャイル」同人による朗読会、という貴重な機会を小熊秀雄賞市民実行委員会の皆様より戴きました。昭和初期の旭川のように、活発に詩が読まれる会に致したく、そして、小熊秀雄がどんな時代と対峙していたのか、そして現代はどういう時代なのかということを考えるきっかけに致したく、開催準備を重ねて参りました。   

【動画】木暮純「マヤコオフスキイの舌にかわって」小熊秀雄小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】20190127

youtu.be

【動画】小篠真琴「空の青さと雲の白さのために歌う」小熊秀雄小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】20190127

youtu.be※小篠さんの朗読は、スマートフォンのLINE電話での通信に柴田のピアノをセッションするという、距離を超えた初めての試み☆

【動画】冬木美智子「黒い洋傘」「カンテラ小熊秀雄小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】20190127

youtu.be

・荻野久子「佐藤春夫へ」

youtu.be・佐々木虎力「疑惑」(自作詩)

youtu.be

・富田正一「自分の路・他人の路」

youtu.be

■富田さんからは小池栄寿先生の貴重なエピソードをお話戴きました。富田さんの恩師である小池先生が、小熊秀雄が上京する際に多額の資金を提供したということ。旭川時代では誰よりも小熊秀雄のことを知っていた、親しくしていた方が小池栄寿氏であったこと、心温まる友情のお話。そして小熊秀雄から小池先生に贈られた詩が「自分の路・他人の路」であり、色紙が旭川文学資料館に展示されていること等、お話を戴きました。

■最後は会場の皆さんとご一緒に、全員で「蹄鉄屋の歌」を群読!

youtu.be

コピーを事前配布致しておりました。「 泣くな、 驚ろくな、 わが馬よ。 私は蹄鉄屋。 私はお前の蹄〔ひづめ〕から 生々しい煙をたてる、 私の仕事は残酷だらうか、 若い馬よ。 少年よ、 私はお前の爪に 真赤にやけた鉄の靴をはかせよう。・・・」フラジャイル同人一人ずつが数行を読み、続けて会場の皆さんが朗読(柴田がピアノ伴奏)、大合唱のフィナーレとなりました♪以上で1時間余りの朗読会終了。

小熊秀雄賞市民実行委員会橋爪会長より、心温まる詩のお話。ご挨拶のお言葉を戴き、終会となりました。誠にありがとうございました。この機会を大切に、さらなる旭川詩文化活性の取り組みに努めて参る所存です。心より御礼申し上げます。
  

2019-01-27.詩誌「フラジャイル」代表 柴田望f:id:loureeds:20190128225907j:image
f:id:loureeds:20190128225957j:image
f:id:loureeds:20190128225859j:image
f:id:loureeds:20190128225806j:image
f:id:loureeds:20190128230016j:image
f:id:loureeds:20190128225931j:image
f:id:loureeds:20190128225849j:image
f:id:loureeds:20190128225837j:image
f:id:loureeds:20190128225833j:image
f:id:loureeds:20190128225950j:image
f:id:loureeds:20190128225843j:image
f:id:loureeds:20190128225801j:image
f:id:loureeds:20190128225852j:image
f:id:loureeds:20190128225921j:image
f:id:loureeds:20190128225913j:image
f:id:loureeds:20190128225945j:image
f:id:loureeds:20190128225817j:image
f:id:loureeds:20190128225821j:image
f:id:loureeds:20190128225936j:image
f:id:loureeds:20190128225811j:image
f:id:loureeds:20190128225829j:image
f:id:loureeds:20190128225826j:image
f:id:loureeds:20190128225954j:image
f:id:loureeds:20190128225941j:image
f:id:loureeds:20190128225856j:image

■「グラフ旭川」2019年2月号 「花粉」 柴田望

■本日発行の「グラフ旭川」2019年2月号、文芸(53ページ)に柴田の散文風な詩作品「花粉」を、全文掲載戴いております。
また、「フラジャイル」4号、「青芽反射鏡」vol.4のことも、掲載戴いております。《活発な表現活動を展開するフラジャイル党》とのご紹介…恐縮です。誠に、ありがとうございます☆ 
 
_*_*_*_*_*_*_*_*_*_*
 
花粉           柴田望
 
九〇歳のおじさんと八〇歳のおばさん
のために毎朝五時起きで除雪した 重い
雪をうちの敷地へ汗だくになって運ぶ 
細かいところはおばさんが丁寧に除雪し
た 九〇歳のおじさんの具合が相当悪く
なり施設へ入った 家は僕の紹介する不
動産屋に任せてくれた なかなか売れず
に困っても (お兄ちゃんが除雪を頑張
ってくれたから…) おじさんは他を頼
まなかった ようやく話がついたとき
おじさんは亡くなっていた 解体業者が
やってきて おじさんとおばさんが何十
年も暮らした家は三、四日で跡形もなく
消えた 庭も木もどこにもない 空白の
角の更地 半年もしないうちに 背の高
い雑草だらけになってしまった 雑草の
種はご近所に飛ぶ 除雪の日々を思い出
し 草を刈ろうと踏みこんだ 見たこと
もない何種類もの花の周りを 蜂や蝶や
もっと小さな虫たちが舞う 町内のオア
シス おじさんとおばさんはよく近所の
子どもたちをあの家で遊ばせてくれた 
冬の間は自転車を物置に入れてくれた 
草を刈ることも枯らすこともしてはなら
ないと思い 背を向けたとたん 九〇坪
の雑草の茂みにひそんでいた雀の群れが
 一清掃射のごとく空へ飛びだしていっ
た いつの間に吸いこまれたのか あん
なにたくさん 星空に飛びだしていった

f:id:loureeds:20190126224624j:plain

f:id:loureeds:20190126224734j:plain

【小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】 2019年1月27日(日) 14時より

■1/22付のあさひかわ新聞、ライナーWEB、小熊秀雄賞市民実行委員会のブログにも、掲載戴いております。
*

小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 】

第17回 小熊秀雄・朗読会
(主催 小熊秀雄賞市民実行委員会
 後援 旭川市教育委員会

2019年1月27日(日) 14時より
まちなかぶんか小屋(旭川市7条通7丁目)にて
入場料500円
事前申し込み不要 会場に直接おいでください。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。

戦後72年続いた旭川の詩誌「青芽」の後継誌として
2017年12月に創刊された詩誌「フラジャイル」同人による朗読会です。(遠地在住詩人とのインターネット接続による朗読も行います。)

【音楽と動画による詩的表現の試み】
「しゃべり捲くれ」小熊秀雄×フラジャイル リッジリーディング 2019・1・27

youtu.be

朗読:伊藤菜乃香

動画制作・作曲:柴田望
資料提供:NPO法人旭川文学資料友の会

Youtubeにてライブ配信を行います☆こちらのチャンネルです!
https://www.youtube.com/user/81KINAKOSUK

 

f:id:loureeds:20190125075738j:plain

f:id:loureeds:20190125075752j:plain

f:id:loureeds:20190125075804j:plain

f:id:loureeds:20190125075816j:plain