詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■「北海道詩集」No.65 2018年版

■「北海道詩集」No.65 2018年版が届きました。
今回初めて参加させて戴き、作品「手紙」掲載戴いております。
詩集展望に坂本孝一さんの評にて『黒本』のこと、
詩誌展望に山内みゆきさんの評にて『フラジャイル』のこと、
掲載戴いております。誠に、ありがとうございます。
「北海道詩集」No.65、北海道詩人協会発行(1,200円税込)です。ご興味お有りの方はぜひ、北海道詩人協会のFBグループをチェックください☆
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「 手紙 」 
~詩誌『青芽』山田稔追悼特集号
        (昭和三十四年十一月)

                柴田望
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力強い赤さを持った星が西方へ流れました。あれは貴方なのでしょうか(内村秀)
決して再び語ることのなくなった貴方の前で私に許される言葉は本当はない(渋谷美代子)
人間の生命とは、いったい何であろうか。未来のある一人の若い生命をうばった孤独な自我は、僕達に何を問うというのだろう(文梨政幸)
彼の作品の中に多くある〈航海〉、その中に私はまざまざと彼の悲しみを見る(竹内和雄)
一体、山田君の死を傍観していたのは誰だ(中村道夫)
太宰は彼にとっては信仰に近いようなものだった(佐藤武
私はまだ君が死んだなんて、信じられない(富田正一)
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国学院大学で平安文学を専攻していた詩人山田稔さんは昭和三十四年八月十九日、東京都多摩川上流太宰治の碑前にて命を絶った
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彼はまだ二〇歳だった
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今日こそは、今日こそはと思う。はかない期待をよせてまた毎日を僕のうちからうばいとるのだ。新たな世界への歩みをつづけるのだ。何がどうとはもとよりわかっていること。すべての知人に手紙をかいて僕の非礼をわびよう(山田稔
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