詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

「√2通信」65(2018) 支倉隆子さん、ありがとうございます。

■憧れの支倉隆子さんより、「√2通信」65(2018)を戴きました・・・
 支倉さんの詩「斜めの熊」「海鮮おせち」、木田澄子さんの「行商」、何度も拝読しつつ、不思議なカットアップ手法の映画を再生し続けております。
 9月2日(日)に行われた長屋のり子さん主催、白鳥番屋のイベント「詩劇ピングリーン人、アフリカに渡る+ポエーマンズ」について掲載されており、「魂を喜ばせる便り」として、恐縮ながら拙文もご掲載戴いております。誠にありがとうございます。

■大変恐縮ながら、支倉さんの個人誌のために、A4・1ページの詩を送るように、支倉さんに言われました。書いてみました、、、採用されますでしょうか。拙作、御覧戴くだけでも、恐縮ながら幸いです。あの日、支倉さんをホテルまでお送りした際の、不思議な体験を主題に…

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「 タコの山 」 柴田望
*

タコの山のような坂道を
ホテルを目指して進みます
来たはずの細い道では
なかなか辿りつけません…
語弊を恐れず申せば
小樽ってそういう街です
事務長時代、塾長と余市スクールへ行く途中
蘭島のあたり
昔、鳥居や櫓があったはずの場所が
どこにも見当たらなくて
「それを探すのが事務長の
人生のテーマかもね」などと言われ
まだブラック企業という言葉もなく
朝から朝まで ほぼ二〇時間労働
子どもたちだけが生き甲斐でした
夏期講習の募集爆発して
塾長が社長になった秋
そいつの不正を暴いて刺し違えました
(飲めないのにスナックへ連行されるのが嫌でした)
水族館の駐車場をつき切って
係員に呼び止められて尋ねました
ホテルへはどう行きますか?
くねくねと見慣れた曲がり道は
軟体の触手でしょうか?
吸盤のゴツゴツ隆起のある
人造石研ぎ出し仕上げの胎内
ぜんぶ手作りで 図面は絵です
鉄筋を曲げつつタテヨコに溶接しながら
形づくる彫刻の滑り台です
故郷の岩見沢東山公園にもありました
子どもの頃、よく遊びました
…随分前に撤去されました
てっぺんから見下ろす水面は
相変わらず鱗のように輝く
*

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【限定公開】Youtubeにて、動画ご覧戴けます。

作・演出 支倉隆子さんの詩劇「ピングリーン人、アフリカに渡る」+ポエーマンズ
2018-09-02.美しく晴れた小樽の海 祝津・白鳥番屋にて

■古い夏/小樽 「支倉隆子」
https://youtu.be/l44KcpecGDo

■アマリリス 「支倉隆子」
https://youtu.be/Ys2AWiKhgOY

■詩劇「ピングリーン人、アフリカに渡る」
https://youtu.be/LOsbKcfWzfM

■ポエーマンス その1
https://youtu.be/K9J3f5l09Kc

■ポエーマンス その2 サプライズ
https://youtu.be/XjQuAPfFuPo

■夜会
https://youtu.be/KN6ZNeHLWE4

 

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