詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

詩誌「饗宴」(瀬戸正昭さん主宰)Vol.83

■1月(27日小熊秀雄朗読会)、2月(23日安部公房朗読会)、3月(17日小熊秀雄講演会)、4月は詩集編纂・・・、日常の仕事も膨大にて、息つく暇もなく戦っておりました・・・まだ2018年が終わっておりませんでした。ようやく、GWは関係ありませんが、今日が2019年初めての休日、本が読めます!!

と、いうことで、北海道の代表的詩誌「饗宴」(瀬戸正昭さん主宰)Vol.83をようやく開く。
細野豊さんの詩論「米国からメキシコへ帰化した女性詩人-アンバル・パスト」、エッセイ「松生い茂る森の帰化詩人」、みずみずしい生命力の躍動する神話的な歴史空間、大きな物語の球体における詩は一地点であり、部分は全体と響き合う。引用されているアラン・ミルスのインディオの詩も印象深い。

読者のページ「饗宴との日々」長屋のり子さんのエッセイも興味深く読ませて戴きました。長屋さん独特の流れる文体で饗宴の歴史が紹介される。引用された木原孝一の「例えば海水浴場で危険を指示する旗のような働きをするのが詩であり、その危険ラインを特定するのが詩の役割である」という言葉に感銘を受けました。

各同人の皆様の作品、嘉藤師穂子さんの描き出す古い校舎、星まゆみさんの緊張感あふれる光の到達点、山内みゆきさんの読書体験と文学碑行に吸い込まれ、立原透耶さんの「日常」「広がる、満る、集まる」、詩の居場所について考えさせられる、レベルの高い詩群。

「フラジャイル」同人でもある二宮清隆さんの作品「それは私の」は、昨年の豊平館ライブでのできごと。「フラジャイル」世話人として各イベント等でよく働いてくれているEのことだ。ありがとうございます。本人はかなり照れております。

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饗宴

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それは私の1

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それは私の2