詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■若宮明彦さんの個人誌「Asgard」No2(November 2019)

■若宮明彦さんの個人誌「Asgard」No2(November 2019)
を拝受致しました。歓喜しつつ拝読!誠に、ありがとうございます。小篠真琴さんの「ペルフルオロオクタン酸の(ペル)が」という化学用語からはじまる「捨て犬ペル」が掲載されている。今年の『北海道詩集No66-2019』の小篠さん作「湯上り美人」も、「ジクロルイソシアヌル酸ナトリウムが」からはじまる。「酸性の雨が降る前に/ペルを散歩につれて行ってみようか」(「捨て犬ペル」)新たな化学詩の試み。この世には詩に使われていない膨大な単語があることを気づかせてくれる。日頃聞きなれない様々な名称の石や植物、光の粒子が存在する。専門用語の作用や反応が絶えず繰り広げられ、虹やオーロラが形成される。「奥さんが黒炭を買って/塩基結合を分裂させる」(「捨て犬ペル」)。
 冒頭の柳沢さつきさんの「踊り場」、踊り場という珍しくはない言葉が様々な意味に繫がり、長い時間、遠い距離、時空を超えた生命の旅に連れ出す。小学校の階段の踊り場から、壮大なスケールの広がり。多重に連鎖する発想。時間とイメージのタペストリー。
 若宮先生の論考「ダブリンにおけるオスカー・ワイルドの肖像」、地球単位の視点から過去と未来の狭間の現在の波打ち際、言葉と言葉、詩語と散文の間に横たわる波打ち際、壮大な「波打ち際の詩想」を拝読した後にクラーク食堂詩篇三部作(「元祖クラーク食堂」「本家クラーク食堂」「クラーク食堂別亭」)を拝読、青春の時の流れ、焦点の絞り方が絶妙と感嘆しつつ拝読。この大好きな三篇の詩と、先日会社説明のイベントで北大さんへ訪れた際にクラーク会館の食堂でお昼を戴いたことを想起しつつ、先日11月5日(火)旭川詩人クラブの夜、大町の「かつや」で650円の「メンチカツ定食」を木暮純さんと二人で食べたのでした☆

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