詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■詩誌「无(ん)」26(草木社・2020年3月10日発行)

■福岡の詩誌「无(ん)」26(草木社・2020年3月10日発行)を拝受いたしました。初めてお送り戴きました。辞書を引くと「无」とは「無」?「む」ではなく「ん」とお読みするのですね。詩人4名による詩作品、散文二篇、荒平太和氏、木永達男氏による編集。インターネット等でも情報検索できず、この詩誌について何か御存知の方がいらっしゃれば、ぜひ情報を戴けましたら幸いです。
 神話的日本の詩空間の文脈から荒平太和氏の「大笑が浜ー此鉤ヲトレル魚有也ー(古事記)」を拝読。「浜辺に打ち上げられて陽に焙られていた/そこへ釣針を探して山幸彦が通りかかり/顎から釣針を取り外し黒鯛を海に返した」「海神(ワタツミ)と海の魚たちが沖の方から見ていて/拍手喝采して気が付いた黒鯛のきょとん顔に/それ見たかと またまた大笑い」。海の底から、遥かな太古から湧いてくる笑いの力。遺伝子情報に込められた神話全体に通底する魚の笑い。伝承される生命の促進力。

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