詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■「みつべえ」ことよねたみつひろ氏の「卵Ⅰ」二〇二〇・春(2020年3月20日発行)

■「みつべえ」ことよねたみつひろ様より個人誌「卵Ⅰ」二〇二〇・春(2020年3月20日発行)を御送り戴きました。心より感謝申し上げます。
 昨年戴いた「卵」創刊準備号は「綴じてません。むしろ綴じません。」と表紙に書かれてありましたが、今回の創刊号はホチキス製本が施され(「手間がかかった」と扉に。)、表紙の紙も春らしく立派です。「ツイッター通院ログ」として、昨年12月からの御通院、ポリープ手術の記録が記されている。拝読した限りでは軽やかに回復に向かわれている様子で安心。くれぐれもご自愛ください。
 詩作品「その始末」が、ハードボイルド風でとても気に入りました。始末とは誰の始末か。何をどう始末するのか、そんな野暮なことは聞かないでくれ、という感じで。生きざまが短い台詞に込められているようで。毎日誰もがたくさんの、やりきれないことの始末を課せられ、追われていることに対する配慮なのか。「そうとも 手をつけずに/そっとしておいてほしい/そんなことは かまわない/その言葉だけで じゅうぶんだ/そもそも 特別なことではない/そうやって みんなゆくのだから/そのとき 少しだけ泣いてくれ/そして それきり 忘れてくれ」。

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