詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■「さて、」第7号(2020年4月10日発行)

■天草季紅様より、「さて、」第7号(2020年4月10日発行)を御送り賜りました。心より感謝申し上げます。

 24ページの短歌時評「窓を開く(1)不羈を矜持としてー草季紅」に、旭川文学資料館を訪ねたことが書かれています。(学芸員、沓澤章俊さん、「短歌人」の西勝洋一氏に案内していただいた、と^^)。

 「安部公房、齋藤史、齋藤劉のほか、若くして亡くなった小熊秀雄、今野大力、知里幸恵など独自の存在感をもつ人々ばかりである。」「同館ではこのほか現在活躍中の若手詩人や評論家の活動、同人詩誌などが紹介され、旭川の文学活動の拠点ともなっていることを実感させられた。全国に文学館は多いが、この景観は稀有のことではないだろうか。」との御言葉、誠に嬉しく、「独立不羈の面影を湛えた旭川の精神」を志して参ります。「かぎろひ」のこと、桑原憂太郎氏、智理北杜氏の論考についても紹介戴いています。

 本号には原田千万氏、小玉隆氏、日向邦夫氏、天草季紅氏の短歌を収録(天草氏「橋わたる風」、「白鳥のとぶ窓ぬけて雨のふるふるき町ゆく直線道路」、国道12号宮島沼、雨の景色が壮大に広がる。)。論考三本(原田千万氏の「ビロードの衣装」ジャコウアゲハのこと、天草氏による「安玟英(二)紅灯の巷にて」、勉強になりました。)、冒頭に崔龍源さんの詩二編「月の地平」「水」、文明の生誕から滅亡までを凝縮する水の流れ、照射する月の満ち欠け。

 「見つめてごらん 漆黒の闇の中に浮かび上がる
  青い水の星を 月の地平から見える
  地球の出の妙ない形を またはあふれ出すいのち」
           (崔龍源「月の地平」)

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